ハマトビムシ上科 ハマトビムシ上科の概要

ハマトビムシ上科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/19 08:29 UTC 版)

ハマトビムシ上科
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
亜門 : 甲殻亜門 Crustacea
: 軟甲綱 Malacostraca
亜綱 : 真軟甲亜綱 Eumalacostraca
上目 : フクロエビ上目 Peracarida
: 端脚目 Amphipoda
亜目 : Senticaudata
下目 : Talitriidira
小目 : Talitriida

分布

ハマトビムシ類はこのような環境に生息している。採集する場合は徒手のほか、水盤トラップの使用も有効である。

生態

  • 海岸に生息する種は、礫の間や砂の中に潜んでいる。打ちあがった海藻などを餌としている。
  • 主に植物性遺物の分解者であり、物質循環において重要な役割を果たす。特に、ミミズが自然分布していない海洋島においては、陸棲等脚類と並んで生態系の維持に不可欠な要素と考えられている。
  • ニホンオカトビムシは長らくハランの主要な送粉者と考えられてきた(Kato 1995)。しかし、近年の研究では、より有力な送粉者が発見されている(Suetsugu & Sueyoshi 2017)。
アリ類に捕食されるハマトビムシ類。
  • 森林に生息する種は、林床や樹上で生活している。
  • 海岸生態系においては昆虫鳥類などの餌資源として知られる。
  • 海岸に産する種は夜行性として知られる。触角をコンパスのように用い、月明りを頼りに活動しているとの報告がある(Ugolini et al. 2016)。

形態

  • 各付属肢は太い。尾部は互いに重なり合うように圧縮され、特に第3尾肢は退化傾向にある。
  • 第1触角の全長は第2触角の柄節長より短い。このことにより、モクズヨコエビ科と識別が可能である。
  • 雄間闘争に触角を用いるグループ(Talitrusなど)と、咬脚を用いるグループ(Orchestiaなど)が報告されており、これらの部位に性的二形が表れる。

分類

7科からなる。分類体系は Lowry & Myers (2020a,b), Lowry et al. (2020), Lowry & Springthorpe (2021), Green et al. (2021), Lowry & Myers (2022) に基づく。和名は Ishimaru (1994),Morino (2020a,b),Takahashi et al. (2021) ,有山 (2022) に基づく。


生息環境と代表的な属(Lowry & Myers 2019)
区分 環境 備考
Marsh-hoppers 沼沢地 Lowryella, Orchestia
Beach-hoppers 海岸 Bulychevia, Ditmorchestia, Platorchestia, Talorchestia, Traskorchestia 漂着物の種類により細分化する説もある(Wildish 2017)
Driftwood-hoppers 流木 Macarorchestia 日本からは未知
Sand-hoppers 砂浜 Sinorchestia, Talitrus, Trinorchestia 潜砂特性の有無により細分化する説もある(Wildish 2017)
Field-hoppers 草原・草地 Ezotinorchestia, Nipponorchestia, Talitroides
Ground-hoppers 地中・土壌 Albidiator, Kanikania 日本からは未知
Riparian-hoppers 河岸・湖畔 Morinoia, Floresorchestia
Forest-hoppers 森林 Bousfieldia, Mizuhorchestia, Pyatakovestia
Moss-hoppers Dendrorchestia, Hawaiorchestia 日本からは未知
Cave-hoppers 洞窟 Minamitalitrus, Spelaeorchestia



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