ノギス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/04 15:28 UTC 版)
単に「ノギス」と言った場合は一般に、副尺にバーニヤ目盛を具えた工業用のものを指し[1](他の種類のものと特に区別する場合はバーニヤノギスと呼ばれる)、100分の5ミリメートル単位までの精密な長さの測定ができる。工業用のノギスは、日本産業規格 JIS B 7507 に規格[注釈 2]が示されており、バーニヤノギスのほかに数値読み取り部分がダイヤル式のダイヤルノギスや、デジタル式のデジタルノギスなどの種類がある。現在ではデジタルノギスがその利便性によって普及している。
ホビー用途など、精度を要求されない場面ではバーニヤ目盛を持たないものも使用され、これらは「簡易ノギス」「ホビーノギス」といった名称で呼ばれる。
器具の名称
日本での一般的な名称ノギスは、精密な計測を可能にする目盛りを発明した16世紀ポルトガルの数学者ヌネシュのラテン語名に由来するノニウス(Nonius)が転訛したもので[2]:4[3][4][5]、日本にはドイツ語[2]:4あるいはオランダ語[2]:4経由で入ったとされる。後述(#歴史節)の通り欧米言語の nonius は目盛や副尺に関する名称で、器具全体を指す名称として定着した「ノギス」と直接対応しているわけではない。
ノギスは、英語ではキャリパー(米国: Calipers、英国: calliper。キャリパとも表記される)と呼ばれる器具の一種であり、バーニアキャリパー(英: Vernier caliper)、ダイヤルキャリパー(英: Dial caliper)、デジタルキャリパー(英: Digital caliper)などと表現される。ただし英語でキャリパーと呼ばれるものの中には、外パス(External caliper)や内パス(Internal caliper)、ディバイダ(Divider caliper)、マイクロメータ(Micrometer caliper/Spinning caliper)など、日本では「ノギス」の範疇に含まれないものもある[2]:2。
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外パス
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内パス
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マイクロメータ各種
日本語表現として、対象を挟んで長さを測るものについて挟み尺[6]の語があり、そのうち直尺に沿わせた遊標を滑らせて挟んで測るもの[6]について滑り挟み尺[2]:1の語がある。この語はバーニヤ目盛を持たない長さ計についても使用される[2]:8。
各部の名称
- ジョウ(外側測定面、外側用ジョウ)
- クチバシ(内側測定面、内側用ジョウ)
- デプスバー
- 本尺目盛 (cm)
- 本尺目盛 (inch)
- 副尺目盛(バーニヤ目盛、cm)
- 副尺目盛(バーニヤ目盛、inch)
- 指かけ
ジョウで物の外側の長さを測定できるほか、クチバシで内径、デプスバーで深さ、そして段差測定などもできる。
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