ニコラス・オタメンディ ニコラス・オタメンディの概要

ニコラス・オタメンディ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/27 13:37 UTC 版)

ニコラス・オタメンディ
名前
本名 ニコラス・エルナン・ゴンサロ・オタメンディ
Nicolás Hernán Gonzalo Otamendi
ラテン文字 Nicolás Otamendi
基本情報
国籍 アルゼンチン
生年月日 (1988-02-12) 1988年2月12日(36歳)
出身地 ブエノスアイレス
身長 183cm
体重 82kg
選手情報
在籍チーム SLベンフィカ
ポジション DF (CB)
背番号 30
利き足 右足
ユース
1995-2007 ベレス・サルスフィエルド
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
2007-2010 ベレス・サルスフィエルド 40 (1)
2010-2014 ポルト 77 (7)
2014-2015 バレンシア 35 (6)
2014 アトレチコ・ミネイロ (loan) 5 (0)
2015-2020 マンチェスター・シティ 136 (8)
2020- ベンフィカ 86 (2)
代表歴2
2009- アルゼンチン 111 (6)
1. 国内リーグ戦に限る。2023年8月16日現在。
2. 2024年3月27日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

クラブ経歴

ベレス

ベレスの下部組織出身である。ウーゴ・トカッリスペイン語版監督に抜擢され、2008年5月10日、ホームでのロサリオ・セントラル戦 (2-1) でデビューした[1]。トカッリ監督が指揮していた間はマリアーノ・ウグレシッチ、ワルド・ポンセスペイン語版、フェルナンド・トビオ、マルコ・トルシグリエリに次ぐ5番手のセンターバックと位置づけられていたが、リカルド・ガレカ監督が就任したクラウスーラ2009シーズンには、ポンセがチリ代表の試合で負傷したため、オタメンディは出場機会を得た[1]セバスティアン・ドミンゲスとコンビを組んで19試合中17試合に出場し、リーグ優勝に貢献した[2]。シーズン終了後には、インテル[3]フィオレンティーナ[4]レアル・マドリード[5]ユヴェントス[6] など欧州のクラブへの移籍の噂が持ち上がったが、ベレスに残留した。

アペルトゥーラ2009シーズンのアルセナル戦 (3-1) でプロ初得点を決めた。2009年にはコパ・スダメリカーナの試合に出場して国際舞台にデビューし、同年を通しての活躍からエル・パイス紙による南米ベストイレブンに選出された[7]

ポルト

2010年8月23日、ポルトガル・プリメイラ・リーガポルトと5年契約を結んだ[8][9]。この際にFCポルトは移籍金400万ユーロでオタメンディの保有権の50%を得て、残りの50%の権利を得るかどうかは2011年9月に持ち越された[10]。9月25日のオリャネンセ戦 (2-0) でデビューし、その試合で初得点も決めた。中盤戦以降はレギュラーに定着し、2011年2月13日のSCブラガ戦では2得点を決めている。

バレンシア

2014年2月5日、2014-15シーズンからリーガ・エスパニョーラバレンシアに5年契約で移籍することが発表された[11]

アトレチコ・ミネイロ

2014年2月7日、CBFはオタメンディのバレンシアからアトレチコ・ミネイロへの期限付き移籍手続きが正式に完了したことを発表した。移籍期間は2014年6月末まで[12]

バレンシア復帰

2014年7月、バレンシアに復帰。シュコドラン・ムスタフィとのCBコンビでチームをチャンピオンズリーグ圏内の4位に導く活躍を見せた。

マンチェスター・シティ

2014-15シーズン終了後、マンチェスター・ユナイテッドレアル・マドリードへの移籍話が浮上したが、2015年8月、プレミアリーグマンチェスター・シティに5年契約で移籍決定。移籍金はおよそ3300万ポンドと、当時のセンターバックでは世界で3番目に高額な取引だった。

長くチームの守備の要として活躍し、数々のタイトル獲得に貢献したが、2018-19シーズンはアイメリク・ラポルテの台頭により出場機会は減少。一時は退団も噂されたが、最終的には残留を選択した。

続く2019-20シーズンはヴァンサン・コンパニの退団、ラポルテの長期離脱により一定の出場機会は得られたが満足のいくパフォーマンスを見せることが出来ず、新型コロナウィルスによるリーグ中断後には若手DFのエリック・ガルシアにファーストチョイスを明け渡す結果となった。

ベンフィカ

2020年9月27日、SLベンフィカはオタメンディの加入を発表。移籍金は1500万ユーロ。同時にルベン・ディアスが移籍金6800万ユーロでマンチェスター・シティFCへ移籍し、実質トレードの形となった。[13]

代表経歴

2009年5月、アルゼンチン代表ディエゴ・マラドーナ監督によってパナマとの親善試合のために招集された[14]。この際の招集メンバーはアルゼンチン国内リーグ所属選手のみで構成されていた。この時のオタメンディは21歳であり、まだCAベレス・サルスフィエルドのトップチームで11試合しか出場していなかった[1]。5月20日に行われたパナマ戦に先発出場して代表デビューを果たし、3-1で勝利した。その後の2010 FIFAワールドカップ・南米予選コロンビア戦とエクアドル戦にも招集され、エクアドル戦ではセンターバックでマルティン・デミチェリスとコンビを組んで出場した。ブラジル戦ではサルスフィエルドでチームメイトのセバスティアン・ドミンゲスとコンビを組んで先発出場した。南米予選最終戦のウルグアイ戦にも先発出場したが、この試合では右サイドバックとしてプレーした。

2010年5月19日、2010 FIFAワールドカップに出場するメンバーに選出された[15][16]。グループリーグ最終戦のギリシャ戦に出場し、試合後の記者会見でマラドーナ監督は「今日の試合ではオタメンディが最高の選手だった」と述べて彼を称えた[17]。決勝トーナメント1回戦のメキシコ戦にはフル出場し、3-1で勝利した。準々決勝のドイツ戦には右サイドバックとして出場したが、思うようなプレーができずに0-4で大敗し、彼を右サイドで起用したマラドーナの先見の明の無さとともに彼のプレー自体も批判された[18][19]

2011年9月2日のベネズエラとの親善試合で代表初得点となる決勝点を挙げた[20]

2014 FIFAワールドカップではメンバーに選ばれなかったものの、翌年のコパ・アメリカ2015ではメンバーに選ばれて5試合に出場した[21]

2016年、アメリカで開催されたコパ・アメリカ・センテナリオでオタメンディは全ての試合に出場するも、アルゼンチンは決勝戦でチリと対戦して前年と同じくPK戦の末に敗れた[22]

ロシアW杯ナイジェリア戦でのオタメンディ(右上)

2018年5月、2018 FIFAワールドカップのメンバーに選ばれたオタメンディは[23]グループリーグ初戦から全試合スタメン出場するも、のちにこの大会を制するフランス代表と決勝トーナメント1回戦で対戦して3-4で敗れたため、ベスト16で敗退した[24]

2021年6月、コパ・アメリカ2021に向けたメンバーに選ばれ、決勝のブラジル戦を含む5試合にフル出場して自身初の代表でのタイトルを獲得。優勝した記念としてスポンサーのナイキから特注のスパイクが贈呈された[25]

2022年6月1日、コパ・アメリカを制したアルゼンチンとUEFA EURO 2020を制したイタリアと対戦するフィナリッシマウェンブリー・スタジアムで開催された。この試合でもオタメンディは先発出場すると、チームはヨーロッパ王者相手に3-0の完勝でタイトルを獲得した[26]

2022年11月、リオネル・スカローニ監督が率いる2022 FIFAワールドカップに挑むメンバーの1人に選出され、背番号は「19」を着用することが発表された。これにより、オタメンディは南アフリカ大会は「15」、ロシア大会は「17」、カタール大会は「19」と出場した3大会で全て異なる背番号を背負うことになった[27]

カタールW杯メキシコ戦でのオタメンディ(左)

カタール大会でオタメンディは、準決勝終了までには最も多く空中戦で勝利し(20回)、オーストラリア戦でのリオネル・メッシへのアシストを含むチーム最多のパス成功数(462本)とロングパス成功数(11)を記録した[28]。そして12月18日、代表通算100試合目の出場となった決勝戦ではフランス代表のコロ・ムアニを倒してしまいPKを与えるミスを犯すも、PK戦の末に勝利しワールドカップ優勝を果たし、メッシと共に大会開幕から全試合フル出場した[29]

2023年10月12日、ブエノスアイレスで行われた2026 FIFAワールドカップ・南米予選パラグアイ戦ではキャプテンとして出場し、試合開始直後にロドリゴ・デ・パウルのコーナーキックをボレーシュートで合わせて先制点を決めた[30]


  1. ^ a b c Nicolás Otamendi: "El de Vélez es un grupo con hambre"” (Spanish). La Nación (2009年4月28日). 2009年10月2日閲覧。
  2. ^ Closing '09 statistics”. Argentine Soccer. 2010年8月8日閲覧。
  3. ^ Mercado: Otamendi podría ir al Inter Goal.com、2009年6月16日
  4. ^ Mercado: La Fiorentina tiene a Otamendi como primera opción Goal.com、2009年8月4日
  5. ^ Mercado: Otamendi en la mira del Real Madrid Goal.com、2009年7月21日
  6. ^ Mercado: Juventus está primero en la carrera por Otamendi Goal.com、2009年9月18日
  7. ^ Verón fue elegido como el mejor jugador de América” (Spanish). 24CON (2009年12月31日). 2009年12月31日閲覧。
  8. ^ Porto sign Argentina defender Otamendi”. UEFA.com (2010年8月23日). 2010年8月25日閲覧。
  9. ^ ポルト、オタメンディ獲得で合意 Goal.com、2010年8月24日
  10. ^ “Acordo de princípio para a compra do jogador Otamendi” (Portuguese) (PDF). FC Porto. (2010年8月23日). http://www.fcporto.pt/IncFCP/PDF/Investor_Relations/FactosRelevantes/CompraOtamendi23082010.pdf 
  11. ^ バレンシア、オタメンディ獲得を発表 Goal、2014年2月6日
  12. ^ La CBF oficializa inscripción de argentino Otamendi con el Atlético Mineiro” (スペイン語). Terra Argentina (2014年2月7日). 2014年2月7日閲覧。
  13. ^ https://www.slbenfica.pt/pt-pt/agora/noticias/2020/09/27/futebol-benfica-comunicado-cmvm-principios-de-acordo-manchester-city-ruben-dias-e-otamendi
  14. ^ Bocación local” (Spanish). Olé (2009年4月17日). 2009年10月2日閲覧。
  15. ^ ¡Acá están, estos son!” (Spanish). Olé (2010年5月19日). 2010年5月19日閲覧。
  16. ^ アルゼンチン代表、W杯に望む23人を発表 Goal.com、2010年5月20日
  17. ^ Liniers queda en Sudáfrica” (Spanish). Olé (2010年6月23日). 2010年6月23日閲覧。
  18. ^ Daniel Edwards (2010年7月4日). “Javier Zanetti or Nicolas Otamendi? The decision to snub Inter's captain cost Maradona & Argentina”. Goal.com. http://www.goal.com/en-gb/news/2890/world-cup-2010/2010/07/04/2009766/world-cup-2010-comment-javier-zanetti-or-nicolas-otamendi 2010年7月16日閲覧。 
  19. ^ Ian Ladyman (2010年7月5日). “Diego Maradona finally exposed as Argentina's weakest link... along with their right full back”. Daily Mail. http://www.dailymail.co.uk/sport/worldcup2010/article-1291953/WORLD-CUP-2010-Diego-Maradona-finally-exposed-Argentinas-weakest-link--right-back.html 2010年7月16日閲覧。 
  20. ^ “La Argentina de Sabella comienza con victoria ante Venezuela en Calcuta [Sabella's Argentina start with win against Venezuela in Kolkata]” (スペイン語). El Comercio. (2011年9月2日). http://www.elcomercio.com/deportes/futbol/Argentina-Sabella-comienza-Venezuela-Calcuta_0_547145327.html 2014年2月1日閲覧。 
  21. ^ “Gerardo Martino confirmó la lista de 23 convocados y mantuvo a Casco para la Copa América [Gerardo Martino confirmed list of 23 selected and kept Casco for the Copa América]” (スペイン語). La Nación. (2015年5月27日). http://canchallena.lanacion.com.ar/1796405-gerardo-martino-confirmo-la-lista-de-23-convocados-y-mantuvo-a-casco-para-la-copa-america 2015年5月27日閲覧。 
  22. ^ Timms, Aaron (2016年6月27日). “Chile win Copa América once again as Argentina title drought continues”. The Guardian. https://www.theguardian.com/football/2016/jun/26/chile-win-copa-america-argentina-match-report-penalty-shoot-out 2016年6月27日閲覧。 
  23. ^ World Cup 2018: Messi and Aguero in Argentina squad but Icardi out”. BBC Sport (2018年5月21日). 2018年5月23日閲覧。
  24. ^ France vs Argentina (4–3)”. FIFA (2018年6月30日). 2022年12月19日閲覧。
  25. ^ @nicolasotamendi30 (2021年8月29日). "Muchas gracias @nikefootball por estos hermosos Tiempo". Instagramより2023年10月15日閲覧
  26. ^ Italy 0-3 Argentina: South American champions cruise to Finalissima glory”. UEFA (2022年6月1日). 2022年12月18日閲覧。
  27. ^ 今回は「19」…ワールドカップ3度出場のオタメンディ、全大会で異なる背番号を着用”. サッカーキング (2022年11月16日). 2023年10月15日閲覧。
  28. ^ アルゼンチン代表もう1人の“スーパーマン”!カタールW杯最高のDF、オタメンディの存在”. Goal.com (2022年12月17日). 2023年10月15日閲覧。
  29. ^ FIFA WORLD CUP 2022TM POSTTTOURNAMENT REVIEW & PLAYER SURVEY” (pdf). FIFPRO. 2023年10月15日閲覧。
  30. ^ オタメンディのハーフボレーシュートが決勝点 メッシは途中出場もフリーキックがポスト直撃に泣く”. Golesdor (2023年10月12日). 2023年10月14日閲覧。
  31. ^ ニコラス・オタメンディ - Soccerwayによる個人成績
  32. ^ ニコラス・オタメンディ - National-Football-Teams.com


「ニコラス・オタメンディ」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ニコラス・オタメンディ」の関連用語

ニコラス・オタメンディのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ニコラス・オタメンディのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのニコラス・オタメンディ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS