トロン (映画)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/08 14:17 UTC 版)
キャスト
役名 現実世界 コンピューター世界 |
俳優 | 日本語吹替 | |
---|---|---|---|
ソフト版 | フジテレビ版 | ||
ケヴィン・フリン クルー・プログラム[3] |
ジェフ・ブリッジス | 小杉十郎太 | 小川真司 |
アラン・ブラッドリー トロン・プログラム |
ブルース・ボックスライトナー | 土田大 | 池田秀一 |
エド・デリンジャー レッドサーク |
デビッド・ワーナー | 金尾哲夫 | 富田耕生 |
マスター・コントロール・プログラム | 沢木郁也 | 加藤精三 | |
ローラ ヨーリ |
シンディ・モーガン | 日野由利加 | 土井美加 |
ウォルター・ギブス博士 デュモント |
バーナード・ヒューズ | 城山堅 | 槐柳二 |
ラム | ダン・ショア | 高木渉 | 牛山茂 |
クロム | ピーター・ジュラシック | 檜山修之 | 稲葉実 |
その他 | 水野龍司 小室正幸 野沢由香里 仲野裕 長克巳 宮島史年 三戸貴史 河本邦弘 本美奈子 きのしたゆうこ |
津田英三 大塚芳忠 伊倉一恵 |
- ポニー版、バンダイ版から発売されたビデオには字幕スーパーが収録されている。
- フジテレビ版:初回放送1987年11月28日『ゴールデン洋画劇場』
- ソフト版のキャストの内、トロン、レッドサーク、MCPの吹替キャストは2005年に発売された『キングダム ハーツII』で起用されていたキャストを踏襲している。
本作におけるCGと仮想世界シーン
本作におけるフルCGシーンは15分286カットである。CGシーンはロバート・エイブルが設立したRA&A、MAGI、Triple-I、Digital Effectsの4社によって制作されている。それぞれの主な担当シーンは、RA&Aが仮想世界へ移行するシーン、MAGIがライトサイクルやタンクのシーンなど前半主要部分、Triple-Iがソーラー帆船やMCPのシーンなど後半主要部分、Digital Effectsがメインタイトルと、劇中で「ビット」と呼ばれる浮遊物体のシーンである。
CG作成手法は、仮想世界へ移行するシーンはベクタースキャンによる描画、ライトサイクルやタンクなどのモデリングはCSG、ソーラー帆船シーンなどはPDP-10のクローンコンピュータであるFoonly F-1を使用したグーローシェーディングやフォンシェーディングによるレンダリング、などである。また、現在でもテクスチャーの作成に用いられるパーリンノイズは、MAGIに勤務していたKen Perlinが本作のために開発した技術である。
他に、当時としては画期的だった本作の特筆すべき点として、「映像(画像)チェックにデータ通信を利用した」ことが挙げられる。ニューヨーク州にあるMAGIが、作成したCGをカリフォルニア州にあるウォルト・ディズニー・スタジオでチェックしてもらうため、電話回線を通してデータ送信していたのである。具体的には、まず最初にMAGIが、作成したCGを低解像度モノクロ画像でディズニーにデータ送信し、それをディズニーのアニメーターがビデオモニターでチェックしてMAGIに修正指示を出し、MAGIがそれに従って修正を行いデータを再送信し、最終チェックには高解像度のカラー画像データを送信していたのである。
本作は「世界で初めて全面的にCGを導入した映画」として話題になったが、実際は前出の通りフルCGシーンは15分と短く、コストや納期の都合等で仮想世界シーンを完全にCGで作成することはできなかった。このため、多くのシーンで手描きのアニメーションが代わりに用いられた。またCGのキャラクターや背景と役者などの実写素材との合成は、従来のアナログ光学合成で行われており、特にキャラクターの衣装の電子回路風パターンの発光表現などのために大量のロトスコープ用マスクを手作業で作成する必要があった。
仮想世界シーンのコンセプトデザインにはジャン・ジロー・メビウスやシド・ミードが参加している。
続編『トロン: レガシー』の監督ジョセフ・コジンスキーは、映画パンフレットに掲載されたインタビューで「(『トロン』は)あの年のアカデミー賞では、コンピューターによる映像は卑怯だとみなされて、失格になっている」と語った。
名前の由来
TRONというネーミングについては、「制作者に“トロンとはBASICのコマンド[4]のことか”と聞いたら“いや、エレクトロンのトロンだよ”と返された」という記事が当時の雑誌『スターログ日本語版』(ツルモトルーム刊)にある。
また、TRON (1982) - Trivia - IMDb には、BASIC のコマンドについては、あとになるまで知らなかったとスティーブン・リズバーガーはインタビューで述べている、とある。
- ^ a b “Tron (1982)”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2010年8月30日閲覧。
- ^ “トロン:オリジナル|ブルーレイ・DVD・デジタル配信|ディズニー公式”. 2021年4月7日閲覧。
- ^ 「C.L.U.」は字幕版では「コード化した擬人万能体(Codified Likeness Utility)」の略称とされている
- ^ 当時のBASICでは、プログラムが正しく進んでいるかを確かめるため、行番号をステップ表示させる
TRON
(Trace ON)と非表示にさせるTROFF
(Trace Off)があり、これを指している。 - ^ サウンドトラックの解説書より
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