ジョルダン測度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/24 05:22 UTC 版)
ジョルダン可測でない例
ジョルダン内測度、ジョルダン外測度はユークリッド空間内の任意の集合に定義されるにも拘らず、ジョルダン内測度とジョルダン外測度が一致し(あるいは境界がジョルダン測度零で)なければならないという「可測条件」は、ジョルダン可測となる集合の種類を極めて制限することになる。
任意のコンパクト集合はジョルダン可測とは限らず、実際に例えば太いカントール集合はジョルダン可測でない[4]。
同様に有界な開集合も必ずしもジョルダン可測とは限らない。例えば太いカントール集合の(区間の中での)補集合は可測でない。
有界集合がジョルダン可測となるための必要十分条件は、その定義函数がリーマン可積分となることである[5]。
ルベーグ測度をで表すことにすればユークリッド空間の有界集合 Aに対して以下が成り立つことが知られている[6]
またルベーグ内測度、ルベーグ外測度、をで表すことにすれば
注釈
- ^ 測度が定義される集合に「可測」と付けるのはよいが、ジョルダン容積(あるいはもっとほかの、有限加法的な「容積」)が定義される集合につけて呼ぶ一般的に受け入れられた呼称は特に存在しない。Munkres (1991)は求長可能な曲線に用いる "rectifiable" を一般にも用いることを提案した(その場合の訳は「求積可能」となるであろう)。他の提案名には、「許容、認容、可容」("admissible": Lang, Zorich); 「被覆可能、敷き詰め可能」("pavable": Hubbard); 「容積を持つ」("have content": Burkill); 「容積付けられた」("contented": Loomis and Sternberg) などがある
- ^ a b 特に、開区間(開矩形)および閉区間(閉矩形)の測度は半開区間に対するものと一致する[3]
- ^ 「現代数学における測度」の意
出典
- ^ Munkres, J. R. (1991). Analysis on Manifolds. Boulder, CO: Westview Press. pp. 113. ISBN 0-201-31596-3
- ^ G. Peano, "Applicazioni geometriche del calcolo infinitesimale", Fratelli Bocca, Torino, 1887.
- ^ Jordan content of an n-cell - PlanetMath.(英語)
- ^ なぜならば、そのジョルダン内測度は補集合が稠密であることから零となるが、他方でそのジョルダン外測度はそのルベーグ測度より小さくならない(実は一致する)から消えていない。
- ^ Volume - PlanetMath.(英語)。なお杉浦光夫『解析入門I』ではこれを体積確定(=ジョルダン可測)の定義としている。
- ^ Orrin Frink (1933-07). “Jordan Measure and Riemann Integration”. The Annals of Mathematics. 2 34 (3): 518-526. ISSN 0003-486X. JSTOR 1968175.
- ^ 二次元の場合は新井仁之『ルベーグ積分講義』p.44証明がある
- 1 ジョルダン測度とは
- 2 ジョルダン測度の概要
- 3 ジョルダン可測でない例
- 4 ルベーグ測度
- 5 外部リンク
- ジョルダン測度のページへのリンク