ジッポー 取扱方法

ジッポー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/06 04:50 UTC 版)

取扱方法

基本的に「オイルフリントさえ切らさなければ、いつでもどこでも」使う事ができる。

オイルの注入とフリントの交換は、インサイドユニットを引き抜いて行い、オイル注入後は乾いた布などで良く拭いてから使用する。オイル注入の際はオイル垂れによって周囲を汚す事がある。オイル垂れを放置したまま点火すると、引火など思わぬ事故に発展する事がある。

故障・破損に関しては、保証期間に永久保証が設定されているため、後述するように無償(送料別)の修理サービスに送ることで修理を求めることが可能である。

オイル

ジッポー社が製造する純正オイルが販売されているが、それ以外のオイルにも利用可能なものは存在する。しかし、揮発性の違いから着火性能が低下する、オイルの保ちが悪くなる、煤などがウィック(芯)に付着しやすく着火性能の低下につながるなどのトラブルの原因になる可能性がある。

従来、純正オイルは重質ナフサを主原料としたものが製造されていたが、2006年頃から合成イソパラフィン系炭化水素を主原料としたものに切り替わった。重質ナフサを主原料としたものと比して引火点が低い、揮発性がやや高い、独特のオイル臭が少ない、人体の肌への刺激性が低いなどの違いがある。さらに2008年頃から表記が「Light Petroleum Distillate(ライター用オイル)」となっている軽質石油蒸留物系原料を用いたものに切り替わった[3]

ガソリンを燃料としてもナフサと同じように使うことはできるが、ナフサに比してガソリンは独特の臭気があり、煙草の香りを損なうため、喫煙用ライターの燃料としてはあまり適切ではない。第二次世界大戦中やベトナム戦争時、米国陸軍の兵士たちは、いくらでも身の回りにあったガソリンをライターの燃料に流用したという。彼らは時として、ガソリン缶にインサイドユニットを放り込んでから引き上げるという荒っぽいやり方でライターの燃料を補給していた。なお、ランタン等キャンプ用品を用いる使用者にはそれの燃料であるホワイトガソリンを用いる者もいる。また、白金触媒式カイロの使用者にはそれの燃料であるベンジンを用いる者もいる。後者の場合にはジッポーブランドのカイロ(後述)があることから逆にカイロにジッポー純正オイルを用いる使用者もいる。

またこのオイルの目的外使用例として金属の洗浄がある。例えばボールベアリングの脱脂・洗浄(オイルを入れたフィルムケースにベアリングを入れて振る)が時にミニ四駆カスタム情報サイトに掲載されていることがある。ただし、金属の洗浄は揮発性の特性からはホワイトガソリンの方が適している。

オイルの例

フリント(火打ち石)

互換フリントの例
大創産業製)

ジッポーのフリントとウィック(芯)は、オーストリアのイムコ(IMCO)社互換品である。これはジッポー創業当時、オイルライターの分野では、IMCOが事実上の世界標準規格になっていたことに起因するという。現在ではフリント、ウィックとオイルはジッポー純正品が用意されている。日本でも、コンビニエンスストアキヨスク(キオスク)、煙草販売店や雑貨商等で一般的に取り扱われており、全国各地で比較的容易に購入可能である。イムコ製やそれ以外の他社の交換パーツを流用することもできるが、現在では推奨されていない。他社にてイムコ規格に追従した製品(場合に拠ってはコピー商品)が製造されており、主に100円ショップで販売されているそれらをジッポーに利用している使用者もいる。ただし、日本国内ではもっとも入手しやすいのがジッポーのものであるため他社製品にジッポーの純正品を流用することの方が多いとされる。

フリントは発火ドラムがスムーズに回らなくなったら換え時だが、フリント押さえバネの取り外し・取り付けにコインまたはマイナスドライバー等が必要である。ネジ頭部のスリットはアメリカの1セント硬貨がジャストフィットするように作られており、日本のコインを用いる場合は一円硬貨で代用できる。次の交換の際、コインが無いと緩められないほど締め付ける必要はなく、指の腹で押しながら回すなど、軽く締める程度で十分である。

なお、ジッポー社ではインサイドユニット底面のフェルトに穴をあけ、ここに予備のフリントを差し込んでおくことを推奨していたが、この穴は後の一部モデルで廃された。しかし穴のないインサイドユニットでも、フェルトの隙間に予備フリントを挟んでおくことは可能である。


注釈

  1. ^ ターボライターでは珍しく、フリントによる着火であった。圧電素子による着火と異なり、フリントを交換すればいつまでも点火可能という点で「ジッポーらしい」点といえる。
  2. ^ 英語版記事によると、同社は2014年7月15日にブリティッシュ・アメリカン・タバコグループのレイノルズ・アメリカン(R.J.レイノルズ・タバコ・カンパニーの親会社)に買収され、その時にBLUの商標はインペリアル・ブランズに売却され、同社の電子たばこのブランドとなっている。→blu英語版
  3. ^ レーザー彫刻や素彫りなどによって名入れのみを施した製品の修理を依頼し、自己工作品であることを理由に返却された例が多数ある。ただしユーザーや販売店らによる自己工作品ではなく、ジッポー社が関与した名入れキャンペーンの一部製品などは、無保証の対象から除外されている。
  4. ^ 保証を受ける場合、インサイドユニットのみの故障や損傷であってもケースと共に送付する必要があり、これについてジッポー社はケースとの勘合を鑑みた精度の高い修理を行うためであるとしている。
  5. ^ アークおよびガス式のインサイドユニット(レギュラーサイズのケース用のみ)については、コットンやウイック、フェルト、フリント等に同じくアクセサリの扱いで単体販売している。

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