シードル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/19 16:02 UTC 版)
北米
植民地時代のアングロアメリカでは、衛生的な飲料水が手に入りにくかったことから、ヨーロッパ人の入植者がリンゴ酒を醸造してよく飲んでいた。1920年代の禁酒法施行とほぼ時を同じくして、アメリカ合衆国では、サイダーというと通常は発泡性のリンゴジュースのことを指すようになったが、これはかつてリンゴ酒の代替品の「ノンアルコールサイダー」として宣伝されていたマーティネリ社の「マーティネリズ・スパークリング・アップルサイダー」の影響があるらしい。現在でもアメリカとカナダの一部では、普通サイダーというとアルコール分を含まない果汁100%のリンゴジュースのことを指すが、その性質は地方によって異なる。例えば、アメリカの一部の地域では、濾過や熱加工をしていない果汁100%のリンゴジュースのことを指す。秋から冬にかけての季節商品で、褐色をしており、熱処理していないので日持ちせず、時間が経つと濁って、自然発酵で二酸化炭素が発生し、炭酸飲料のような味になる。アルコール分が0.15%を超えるサイダーはハードサイダー (hard cider) に分類される。また、他の地域では無濾過未発酵のリンゴジュースのことを指す。ペンシルベニア州の州法では、アップルサイダーとは「リンゴから絞った、琥珀色、不透明、未発酵のアルコール分を全く含まないジュース」と規定されている。なお、前述のマーティネリ社のスパークリングサイダーは琥珀色の透明であり、地方によって「サイダー」あるいは「ジュース」という名称で販売されている。日本で販売されている炭酸飲料を「サイダー」と言うのはこのサイダー(炭酸が入ったリンゴジュース)に由来する。ハードサイダーはニューヨーク州とニューイングランド地方が主産地であり、サイダージャック (ciderjack) と呼ばれることもある。
ケベック州のオルレアン島では、冬季にリンゴ100個から1本のアイスシードルが作られている。
サイダーからは、琥珀色のリンゴ酢(サイダービネガー)が作られる。
- ^ りんごのお酒、シードルの特徴と作り方とは シエル・エ・ヴァン
- ^ ルイ・フィギエ著『産業の驚異』より
- ^ (スペイン語) Sidra de Asturias, Consejo Regulador de la Denominación de Orígen Protegida Sidra de Asturias 2013年5月14日閲覧。
- ^ “Warm Up With Mulled Wine & Cider”. 2011年11月3日閲覧。
- ^ “ニッカ シードル”. アサヒビール. 2020年11月25日閲覧。
- シードルのページへのリンク