ザフトの機動兵器
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ZAFTガンダム目
ファーストステージシリーズ
パトリック・ザラの主導によって開発された「ZGMF-Xシリーズ」を指すMS群。ニュートロンジャマーキャンセラーを搭載したことによる核エネルギーで稼動するのが最大の特徴で、奪取したG兵器からもたらされたフェイズシフト装甲の半永久的な展開が可能となった他、高出力かつ破壊力のあるビーム兵器の運用も可能となった[33]。
専用のモビルスーツ・ネオ・オペレーション・システム「Generation Unsubdued Nuclear Drive Assault Module Complex」を搭載しており[33]、ザフトガンダムとも呼ばれる。機体ナンバーの番号はジンから数えたザフトMSの開発順で割り当てている[34]。また、頭部各所にイタリア数字が記されている機体があるが、これはザフト初のMS開発者が「ジャン・カルロ・マニアーニ」というイタリア系コーディネイターであったことに由来する[35]。なお、後年のシリーズと区別するためにX000AからX13Aは「ファーストステージ(シリーズ)」とも通称される[36]。
ストライクフリーダムとインフィニットジャスティスはC.E.73年 - 74年の戦乱で活躍した機体だが、前者の設計は古く、C.E.71年にフリーダムの姉妹機として開発が行われていた機体である[37]。後者はザフト統合設計局に存在した基礎設計をベースとしており[38]、それらのデータや未完成試作機をクライン派が奪取し[37][38]、セカンドステージシリーズ、ハイパーデュートリオン、ヴォワチュール・リュミエール、ドラグーン・システムの技術までをも投入して独自開発後に完成した機体である[39]。なお、型式番号はファーストステージ当時の連番のままだが、デスティニーやレジェンドといったサードステージと同等以上の戦闘力を有するMSとなる[40]。
- YMF-X000A ドレッドノート
- ZGMF-X09A ジャスティス
- ZGMF-X10A フリーダム
- ZGMF-X11A リジェネレイト
- ZGMF-X12A テスタメント
- ZGMF-X12(D) ガンダムアストレイ アウトフレーム
- ZGMF-X13A プロヴィデンス
- ZGMF-X19A インフィニットジャスティス
- ZGMF-X20A ストライクフリーダム
セカンドステージシリーズ
セカンドステージ以降は、おもにC.E.73年代においてギルバート・デュランダルの主導によって開発されたシリーズで、ユニウス条約で禁止されたNジャマーキャンセラーに代わる新技術のデュートリオンビーム送電システムによって稼動する。ファーストステージの基本性能を受け継ぎ[41]、さらに国家ごとにMSの保有機数制限が布かれたことに端を発する可変モデルとして設計されており、MS形態とMA形態の変形(合体)機構を有しているのも特徴となっている。また、装甲はPS装甲の改良型であるヴァリアブルフェイズシフト装甲が通例となった。搭載している専用OSは「Generation Unrestricted Network Drive Assault Module Weaponry」[1]。セカンドステージシリーズのインパルス、セイバー、カオス、アビス、ガイアの5機はコンセプトナンバーによって機体タイプを識別できるのも特色のひとつで、5のインパルスは換装タイプ、2のセイバー、カオスは航空機タイプ、3のアビスは水中戦型、8のガイアは陸戦とそれぞれの特化した機能を現している[36]。
- ZGMF-X31S アビス
- ZGMF-X23S セイバー
- ZGMF-YX21R プロトセイバー
- ZGMF-X24S カオス
- XMF-P192P プロトカオス
- ZGMF-X56S インパルス
- ZGMF-X88S ガイア
サードステージシリーズ
デスティニーとレジェンドは当時の世界情勢によって表向きセカンドステージとされていただけで、実質的にはサードステージかそれ以上を見越して開発された機体となる。核エンジンとデュートリオンビーム送電システムをハイブリッドさせた「ハイパーデュートリオン」を採用しているほか、X42S側にはヴォワチュール・リュミエールシステムの近縁型スラスターとミラージュコロイド技術による光学分身機構を[42]、X666S側には技術革新によって性能を落とすことなく簡略化に成功した第2世代型のドラグーン・システムをそれぞれ有している[43]。搭載している専用OSは「Gunnery United Nuclear - Deuterion Advanced Maneuver SYSTEM」[1]。
注釈
- ^ 型式番号は Aerial Maneuver Attacker を略したもので「空中機動攻撃機」を意味する[3]。
- ^ ジンはそのルーツを宇宙用作業服に持つ[9]。また、ザウートは機体として、ジンよりも旧式に当たる[10]。
- ^ アニメ『機動戦士ガンダムSEED』本編PHASE-21(リマスター版20)では、ジブラルタル基地の意向からバクゥを回せずザウートが補充された際にバルトフェルドが落胆する場面がある
- ^ アニメ『機動戦士ガンダムSEED』PHASE-34~35(リマスター版32~33)におけるオペレーション・スピットブレイクの際にはアラスカ基地へも投入されているが、地球連合軍のリニアガン・タンクに無限軌道を破壊されて横転した。その際の戦車隊指揮官の発言から、地球軍側でもザウートは取るに足らない兵器と見做されているようである。
- ^ 型式番号の末尾は Directional Emission を略したもので「指向性射撃」を意味する[3]。
- ^ 高山瑞穂の漫画版ではマッソーラ。乗機も前モデルのザウートになっている。
- ^ アニメーション『機動戦士ガンダムSEED』第22話(リマスター版第21話)ではストライクに対し機体ごと体当たりする姿も見られた。
出典
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- ^ 『1/144 HG ドムトルーパー』バンダイ、2005年7月発売、付属解説書。
- ^ “【新商品紹介】HG 1/144 ゲルググメナース(ルナマリア・ホーク専用機)・HG 1/144 ブラックナイトスコードルドラ(グリフィン・アルバレスト専用機)レビュー!”. ガンダムベース公式サイト. バンダイナムコホールディングス (2024年3月22日). 2024年3月23日閲覧。
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