イオン化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/05 02:20 UTC 版)
電子によるイオン化
放電によるガス(空気など)のイオン化など、分子に直接電子を撃ち込むとイオン化できる。 質量分析法では熱電子衝撃法がよく利用され、化学イオン化法と対比される。 63Niなどの核放射による方法は、電子(ベータ線)によるイオン化だが、エネルギーによるイオン化でもある。
エネルギーによるイオン化
光(主に紫外線やレーザー)などによって電子を励起させ、イオン化する(吸光)。 質量分析法では、他にも様々なイオン化手法が用いられ、ソフトイオン化法のマトリックス支援レーザー脱離イオン化法はノーベル賞に関する報道で一般にも知られていた。 このほか、トンネル効果によるイオン化も研究されている。
溶媒中のイオン化
極性溶媒中では、溶媒分子の配向による溶媒和が起きるため、イオン結合物質は容易にイオン化(解離)し、気相や非極性溶媒中よりも安定して存在する。溶媒分子を配位する場合はより安定化する。
結晶中のイオン化
イオン結晶は、イオン相互の静電的相互作用によってイオン結合し、正負の電荷が対を作って電気的に中性となることで規則正しい結晶構造を形成することで、全体的・均一に電荷が中和され安定化している。 このとき個々の原子は、中性分子のイオン化により電子配置が安定化する現象を、結晶構造内で実現している。
代表例である塩化ナトリウムでは、ナトリウムと塩素がイオン化して電子1つを授受した状態で交互に並ぶことで、電気的にも化学的にも安定している。
関連項目
外部リンク
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