アポロ9号 計画の記章と宇宙船の名称

アポロ9号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/23 09:55 UTC 版)

計画の記章と宇宙船の名称

計画の記章では、円形の生地の中にUSAの文字が書かれたサターン5型ロケットが描かれている。その右側には司令・機械船と着陸船が描かれているが、司令船のドッキング装置は着陸船のドッキング受け入れ用のポートではなく、船外活動で出入りするための前方ハッチに向けられている。また司令・機械船のエンジンからは、周回する軌跡が描かれている。外周の上部にはふち取りに沿って飛行士の名前が、下部にはローマ数字とともに「APOLLO IX」の計画番号が書かれている。マクディヴィットの名前の「D」の中は赤い色で満たされているが、これは9号がアポロ計画における「D計画」と呼ばれる飛行であることを表している。この記章は、ロックウェル・インターナショナル社のアレン・スティーブンス (Allen Stevens) がデザインした[3]

飛行士が宇宙船に命名することを許されたのは、ジェミニ計画で最初の有人飛行が行われて以来のことであった。これは9号が、別々の宇宙船が同時に飛行するという性格のものであるため、両者の混同を避ける必要があったからである。着陸船の「スパイダー (クモ)」はその虫のような形態から、また司令船の「ガムドロップ」は飴玉のような形態から名付けられた。

飛行過程

T + Time (経過時間) 事象 燃焼時間 速度増減 軌道
T + 00:00:00 発射
T + 00:02:14.34 第一段S-IC中央エンジン燃焼終了 141秒
T + 00:02:42.76 第一段燃焼終了 169秒
T + 00:02:45.16 第二段S-II点火
T + 00:03:13.5 第二段接合リング分離
T + 00:03:18.3 緊急脱出用ロケット分離
T + 00:08:56.22 第二段燃焼終了
T + 00:08:57 第二段燃焼終了および分離、第三段S-IVB点火
T + 00:11:04.66 第三段燃焼終了、軌道投入 127.4秒 191.3 × 189.5 km
T + 02:41:16 司令・機械船と第三段分離
T + 03:01:59.3 司令・機械船と着陸船ドッキング
T + 04:08:09 第三段分離
T + 05:59:01.07 機械船主エンジン (Service Propulsion System, SPS) 第一回燃焼試験 5.1秒 +10.4 m/s 234.1 × 200.7 km
T + 22:13:04.07 第二回SPS燃焼試験 110秒 +259.2 m/s 351.5 × 199.5 km
T + 25:17:39.27 第三回SPS燃焼試験 281.6秒 +782.6 m/s 503.4 × 202.6 km
T + 28:24:41.37 第四回SPS燃焼試験 28.2秒 -91.45 m/s 502.8 × 202.4 km
T + 49:41:34.46 着陸船降下用エンジン (Descent Propulsion System, DPS) 燃焼試験 369.7秒 -530.1 m/s 499.3 × 202.2 km
T + 54:26:12.27 第五回SPS燃焼試験 43.3秒 -175.6 m/s 239.3 × 229.3 km
T + 92:39:36 司令・機械船と着陸船のドッキング切り離し
T + 93:02:54 司令・機械船の着陸船との分離操作 10.9秒 -1.5 m/s
T + 93:47:35.4 着陸船DPS段階操作 18.6秒 +27.6 m/s 253.5 × 207 km
T + 95:39:08.6 着陸船DPS軌道投入操作 22.2秒 +13.1 m/s 257.2 × 248.2 km
T + 96:16:06.54 着陸船同心同期開始操作、降下段分離 30.3秒 -12.2 m/s 255.2 × 208.9 km
T + 96:58:15 着陸船上昇用エンジン (Ascent Propulsion System, APS) 微噴射 2.9秒 -12.6 m/s 215.6 × 207.2 km
T + 97:57:59 再ドッキングのための着陸船エンジン噴射 34.7秒 +6.8 m/s 232.8 × 208.5 km
T + 99:02:26 再ドッキング
T + 101:22:45 着陸船上昇段分離
T + 101:32:44 着陸船上昇段との分離操作 7.2秒 +0.9 m/s 235.7 × 224.6 km
T + 101:53:15.4 着陸船上昇段大気圏再突入、分解 350秒 +1,643.2 m/s 6,934.4 × 230.6 km
T + 123:25:06.97 第六回SPS燃焼試験 1.29秒 -11.5 m/s 222.6 × 195.2 km
T + 169:39:00.36 第七回SPS燃焼試験 25秒 +199.6 m/s 463.4 × 181.1 km
T + 240:31:14.84 帰還のための逆噴射 11.6秒 -99.1 m/s 442.2 × -7.8 km
T + 240:36:03.8 司令船と機械船分離
T + 241:00:54 着水

写真


注釈

  1. ^ 当初はウィリアムズが予備搭乗員に指名されていたが、彼が1967年10月5日T38練習機の事故により死亡したため新たにビーンが任命された。後に予備搭乗員たちがアポロ12号で飛行した際、飛行の記章にウィリアムズを記念して四つ目の星が加えられた。

出典

  1. ^ Apollo Image Gallery: Early Apollo”. Project Apollo Archive. Kipp Teague. 2010年8月3日閲覧。
  2. ^ a b Saturn S-IVB-504N - Satellite Information”. Satellite database. Heavens-Above. 2013年9月23日閲覧。
  3. ^ Hengeveld, Ed (2008年5月20日). “The man behind the Moon mission patches”. collectSPACE. 2009年7月18日閲覧。 "A version of this article was published concurrently in the British Interplanetary Society's Spaceflight magazine."
  4. ^ a b Apollo 9”. National Space Science Data Center. NASA. 2014年4月7日閲覧。


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