木口木版
【英】:WOOD- ENGRAVING
版画技法。立木を輪切りにした切り口(木口)を版面とする。版木には黄楊(つげ)や椿(つばき)等の堅い木が使われ、銅彫版と同じく、堅い版材に鋭い線を刻むことのできるビュランやノミによって彫版する。インキは粒子の細かいオフセット印刷用・銅版用・石版用等、油性インキを用い、彫り残された凸部にローラーで均一にインキをのせる。紙は薄手のものが刷り易く、バレンや、より細かい調子を出すためには金属ベラで強く印刷する。特徴は、繊細で精密な表現が可能なこと、また版が堅牢なので大部数印刷にも適していることである。18世紀末に英国人ビューイックが創始したとされる。日本では1887年に伝えられ、教科書や新聞の挿絵等、実用面で広く普及したが、写真製版が発明された後、衰退していく。芸術的な木口木版の制作では山本鼎や長谷川潔などが有名。ところで、木口木版に対して、縦挽きした切り口(板目の表われる面)で制作するものを板目木版と呼び、西洋と逆に日本で木版画といえば、こちらの方が一般的である。
木口木版
(wood engraving から転送)
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木口木版 (英:Wood engraving、こぐち もくはん) は、木版画の技法。製版の際に画像または画像の素材を木材ブロックの横断面(木口)に加工する技術である。
- ^ a b c d Richter, Emil Heinrich (1914). Prints : a brief review of their technique and history. Boston: Houghton. pp. 114–115, 118–119
- ^ Cole, Timothy (1921). Considerations on Engraving. New York: William Edwin Rudge. pp. 7
- ^ “Thomas Bewick 1753 - 1828”. Tate Online. 2017年11月15日閲覧。
- ^ Thomas Balston, English Wood-Engraving, 1900-1950 (London: Art & Technics, 1951), p. 4.
- ^ Fuller, Sarah E. (1867). A Manual of Instruction in the Art of Wood Engraving. Boston: J. Watson. pp. 6–9
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