VC10の提案
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 07:37 UTC 版)
「ビッカース VC10」の記事における「VC10の提案」の解説
ビッカース社が提案したVC10は、自動航法制御システム搭載のみならず高温・高地下での離着陸性能も追求したもので、同用途で先行するシュド・カラベルを拡大したかのようなT字尾翼に4発アフトエンジン方式に、高亜音速巡航を可能にするピーキー翼型を採用し、複式自動着陸装置など当時最先端のアビオニクスを満載したが、開発費の高騰と計画の遅延はセールス上致命傷になり、世界的ベストセラーの前作ヴァイカウントで得た利益を吐き出しただけと揶揄された。 エンジンの無い主翼には、全幅に渡って高揚力装置の装備が可能になり、目論見通り民間旅客機として世界最強のSTOL性能を発揮した。しかしながら、尾部にエンジン4基を集中配備する機体構成上の制約から低〜中バイパス比ファンジェットしか搭載できず、後に出現する高バイパス比エンジン搭載機に比べ騒音が大きいという短所があった。そのため地上ではVC10が遠くに位置していても、いつ頭上に飛来するかが分かったという。 なお、このT字尾翼・4発リアエンジン方式レイアウトは、ソ連のイリューシンIl-62が即座に追従しており、当初よりコピー機説が囁かれていた。実際、ソ連のスパイがVC10の基本設計図を非合法裏に入手しそれを元に設計されたことが冷戦終結後に暴露されている。
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