Panhardとは? わかりやすく解説

Panhard

名前 パナール

パナール

(Panhard から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/16 16:45 UTC 版)

パナールPanhard [pɑ̃.aʁ][1])はフランス自動車メーカーで、現在は軍用車両を生産している。


  1. ^ 「Panhard」のフランス語での正確な発音表記は「パンアール」の方が近いが、本稿では日本で定着している表記である「パナール」を用いる。また同社の正式な旧名は「パナール・エ・ルヴァッソール」(Panhard et Levassor)であるが、日本では「」を抜いた「パナール・ルヴァッソール」と表記されることが多いため、本稿ではこの慣例に従う。
  2. ^ それ以前のギアセットは床下露出状態で砂塵に晒されており、消耗が激しく、騒音も酷かった。
  3. ^ ラジエターはまだこの時点では、フィン付きのパイプを屈曲させただけの原始的設計だったが、それ以前の水冷エンジンが車体後部の冷却水タンクからの自然蒸発冷却に頼っており、水の消耗でパナール車でも100kmに1回は水の補給を要したことに比べれば、非常な進歩であった。
  4. ^ ダイムラーの新設計による2気筒1,200 cc・5馬力「フェニックス」エンジンを搭載したエミール・ルヴァッソール操縦の2座パナール「No.5」は、パリ - ボルドー往復1,178 kmを48時間48分で走破して、このレースの1位となった。ただしレースのレギュレーションである「4座以上」の条件を満たさなかったため、正式な優勝者とはならなかった(ルヴァッソールも承知の上での出場であった)。延べ50時間に及ぶ連続ドライブは偶発事態と言うべきもので、スタートからルヴァッソールの運転ペースがあまりに速すぎ、途中交替地点に予定から大幅早着の深夜着となってしまったのが原因である。折悪しく交替ドライバーはまだ就寝中であったため、大幅リードに勢い付いていて、後続車に差を付けたかったルヴァッソールは、結局、途中で助手だけ乗せ替えて、ほとんど休憩を取ることもなく、往復全区間を運転しきってしまった。歓呼の声に迎えられてパリにゴールしたルヴァッソールは、ブイヨンゆで卵を平然と平らげてから「深夜のレースは危険であるから避けた方が良い」と語ったという。当時の夜間ドライブは馬車並みの石油ランプに頼るほか無く、照明の改良は以後も安全面での切実な課題であり続けた。 1907年、フランス自動車クラブ(ACF)はルヴァッソールの壮挙を顕彰するため、ボルドーレースの発着点となったパリ市内のポルト・マイヨに、ルヴァッソールとパナールNo.5を彫刻した記念碑を建てている。
  5. ^ 『20世紀全記録 クロニック』小松左京堺屋太一立花隆企画委員。講談社、1987年9月21日、p201。
  6. ^ AFGコンセプトの小型車は、同時期にイギリスのケンドールやオーストラリアのハートネットといった新興企業も導入を試みたものの、量産化することはできなかった。
  7. ^ エンジンは空冷水平対向2気筒だがオートバイ並にシリンダーヘッドを一体構造としており、半球形燃焼室で対向する吸排気バルブが、バルブスプリングに同一のトーションバー1本を共用するという異例の設計であった(トーションバーバルブスプリングは、他にはオートバイやレースエンジンで少ない事例がある程度。当初は別々のトーションバー2本を使用したが、のちに1本同軸・吸排気で互いに逆ねじりする方式となった。このためバルブオーバーラップの設定は不能である)。しかもメインベアリングローラーとしたうえ、メインローラー相互間にサブローラーを挿入してローラー同士の隣接摩擦を回避した。この贅沢かつ奇想天外な設計は戦後型パナールに長く受け継がれ、1967年の「24」ティグル用最終型では、848 cc・60 HP(グロス値)という高性能を発生した。
  8. ^ 前輪独立懸架は横置きリーフスプリングで当時としては普通の設計であったが、後輪はへの字型の鋼管車軸を片側あたりのべ4本もの横置きトーションバーで支持する複雑設計で、一種、独立懸架に近い機能を確保した、他に類似例のない構造であった。
  9. ^ ディナXの車体生産が無くなって遊休設備を抱えたファセル・メタロン社はファセル・ヴェガを自社開発し、高級車市場に進出する。


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