ハーム・リダクション
ある行動が原因となっている健康被害を行動変容などにより予防または軽減させることをハーム・リダクションと呼んでいる。特にエイズ対策では、注射薬物使用者(IDU: Injection Drug User)が注射器や針を共有することによるHIV感染を、注射器交換や経口薬物への薬物代替によって予防する対策として取り上げられることが多い。これに相当する日本語は見当たらず、通常「ハーム・リダクション」とそのままカタカナで使用している。
ハーム・リダクションは、この対策自体が薬物使用を抑制するのでも逆に奨励するものでもない。注射器や針の共有によるHIV感染を予防するための現実的な対策であり、法規制と相反するものでもない。むしろ、違法性を強調してIDUへの取り締まりを強化するのみでは、IDUは地下組織にますます入り込み、エイズ対策が難しくなるとも言われている。ハーム・リダクションでは、カウンセリングを通じて「自発的カウンセリングとHIV検査」(Voluntary Counseling and Testing; VCT)との連携、また最近ではハーム・リダクションを通じて薬剤依存症の治療へのアクセスも期待されている。
プログラムはIDUへの社会的心理的な不安に留意しながら、IDUのサービスへのアクセスに配慮して実施する必要がある。(垣本和宏)
参考URL、資料:ハーム・リダクションと注射薬物使用:HIV/AIDSの時代に. 古藤 吾郎、嶋根 卓也、吉田 智子、三砂 ちづる. 国際保健医療 21(3)p185-195. 2006
http://www.jstage.jst.go.jp/browse/jaih/21/3/_cont...
ハーム・リダクション
(Harm Reduction から転送)
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ハーム・リダクション(英語: harm reduction)とは、個人が健康被害や危険をもたらす行動習慣(合法・違法を問わない)をただちにやめることができないとき、その行動に伴う害や危険をできるかぎり少なくすることを目的としてとられる、公衆衛生上の実践、指針、政策を指す。主に嗜癖・依存症に対するものを指し、直訳すれば「害 (harm) の低減 (reduction) 」となる。
- ^ a b c “国際ハームリダクション協会による見解”. 2017年10月20日閲覧。
- ^ “アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略”. 2017年10月17日閲覧。
- ^ “たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約”. 2017年10月17日閲覧。
- ^ “第51回日本アルコール・アディクション医学会学術総会”. 2017年10月17日閲覧。
- ^ “フィリップモリス、第51回日本アルコール・アディクション医学会学術総会に公式参加”. 2017年10月17日閲覧。
- ^ “INCB 2001 Annual Report - Oceania”. p. 559. 2010年11月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年3月28日閲覧。
- ^ “Anger as Vice Girls Get Free Condoms”. 2010年4月20日閲覧。
- 1 ハーム・リダクションとは
- 2 ハーム・リダクションの概要
- 3 薬物乱用・薬物依存
- 4 アルコール依存症
- 5 たばこ・ニコチン依存
- 6 批判
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