音楽ファイルにおけるギャップレス方式の変容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/06/19 09:39 UTC 版)
「Nero Digital」の記事における「音楽ファイルにおけるギャップレス方式の変容」の解説
Nero DigitalのMP4 AACにおけるギャップレスエンコードの方式は、当初ctts atomにエンコーダーディレイの値(Nero AAC Encoderが作る曲の先頭にある無音部分)を、stts atomとmdhd atomのDurationフィールドを使ってエンコーダーパディングの値(Nero AAC Encoderが作る曲の終端にある無音部分)分だけ再生時間を短縮することによってギャップレス再生を実現していた。しかし、Hydrogenaudioのフォーラムでctts atomは動画のb-frame周りで使用するので使わないでくれとのクレームが入ったため、ISOの仕様を逸脱しない方式を採用することを発表した。 そこで新たに採用されたのがNero Digital方式のチャプターを利用し、エンコーダーディレイの値をチャプター情報として記録したものである。なおエンコーダーパディングの処理は従来どおりstts atomとmdhd atomのDurationフィールドを使っている。 このNeroの変更に合わせてFAACもこの方式に変更されたが、FAAD2にはなぜか採用されず、エンコーダーディレイの処理はFAACのエンコーダーディレイ値である1024サンプルをデコード時に削除するという方式が採られた。iTunesもVer.7からNero Digitalのギャップレス再生に対応したが、FAAD2の処理をベースに作られていたためか似たような動作をするが、こちらはNero AAC Encoderのエンコーダーディレイ値である2624サンプルをデコード時に削除するという方式が採られている。 2009年12月17日に発表されたNero AAC Encoder 1.5.1.0では再びギャップレスエンコードの方式が変更された。従来の仕様は全て廃止し、iTunes互換の方式を採用することとなった。 また、2011年に発売されたNero Recode 11ではISO標準の仕様(edts/elstを利用した方式)に変更した。
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