電車の性能指標
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 21:31 UTC 版)
起動加速度は主として電車の性能指標として用いられる。これは、電車は編成がほぼ固定されていることから、機関車のように列車によって牽引重量が異なることが少なく、指標として一定値が得やすいためである。また、電車に搭載される主電動機は低速域から中速域まで発生トルクをほぼ一定に保つように制御される。このことから、中速域までの加速特性として起動加速度がそのまま利用できることも、電車の指標として用いられる一因と言える。なお、起動の瞬間には比較的大きな出発抵抗がかかるため、実際に起動加速度を発揮するのは動き出してからとなる。 変速機にトルクコンバータを用いる液体式気動車では、低速域においても速度の上昇にともなってトルクが急激に低下する。したがって、液体式気動車の起動加速度は瞬間的なものにすぎないことから、性能指標として用いられることは少ない。 鉄道車両の加速度は次の式によっても概算することができる。 加速度 ≒ (重量当たり引張力(牽引力) - 重量当たり列車抵抗) ÷ 30.9 ^ 実用においての動輪周引張力であり、諸元表に記載される定格引張力とは異なる。 ^ (引張力-列車抵抗)が加速力となる。 このうち、電車の定トルク制御領域における平均加速度が起動加速度として表示される場合が多い。定トルク領域でも僅かずつではあるが加速力は速度の上昇とともに低下し、直並列制御を行う抵抗制御の電車では直列段と並列段で加速力が異なる場合もあるためである。
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