鐘巻流
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 16:53 UTC 版)
鐘巻自斎(かねまき じさい) 鐘巻流の開祖。小次郎の育て親。 中条流師範として道場を開き、全盛期は天下無双とも言われた。しかしひたすら自らの剣を極めることのみに打ち込み、自分以外の人間に無関心であった。弟子の伊藤弥五郎に敗北して自信や闘争心を失い、剣の道から退く。 村の子供らにからかわれ、大人たちからも変人と呼ばれ孤独な毎日を送っていた。かつての弟子・佐々木佐康から息子の小次郎を頼むという手紙をもらうが、ついに死の道を選び、何日も海辺に座り込んでいたところに、小舟に乗った赤ん坊の小次郎が現れ、荒波の中を死にものぐるいで助け、以来、たびたび育児を放棄しながらも小次郎を育て上げ、それが唯一の生き甲斐となっていった。 剣の腕は長らくくすぶり続けたが、不動幽月斎との死闘の際、小次郎を助ける一心で闘争心を取り戻し、討ち果たした。その際に右腕が再起不能になっている。その後は剣の腕もある程度回復したようで、少年時代の小次郎に口では「剣は教えぬ」と言いながらも毎日稽古し、圧倒し続けていた。しかし老いてしまった自分に小次郎の器は手に余ると感じた自斎は、ついに小次郎に剣の道を歩ませる決心をした。 自己表現が下手で、小次郎を可愛がる余り、小次郎への独占欲・所有欲が強い面もある。小次郎に剣の道で挫折し落ちぶれた自身を投影し、彼を剣の道から徹底して遠ざけようとしたが、次第に小次郎こそ自分の生きる希望、そして誇りであると思うようになり、小次郎が望んだ剣の道を歩ませることになる。 草薙天鬼(くさなぎ てんき) 鐘巻自斎の門弟。 本名は亀吉(かめきち)。 小さいころから「野の草を薙ぎ鍛えた、天からの鬼」と「草薙天鬼」を自称していた村の餓鬼大将。小次郎の幼馴染であり最初の友達である。 父が不動に腕を切られて寝たきりの状態になったことから、復讐のために強くなることを切望していた。小次郎と共に不動に夜襲を仕掛けるも失敗し、「恨みを上回る恐怖を」と顔に傷を負わされた。自斎が不動を倒した後、真っ先に弟子となり、その後道場では敵なしの実力を持つようになるが、何度戦っても小次郎には勝てなかった。 成長して小次郎が一刀斎と共に旅立った後、自斎から小次郎に宛てた免許皆伝の印可を託され武者修行者として彼らの後を追うも、悲運な最期を遂げる。死の直前、印可目録をたまたま居合わせた又八に「たのむ」と言い残し預ける。
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