鎮痛薬喘息
アスピリンなど非ステロイド性抗炎症性鎮痛薬(NSAID)を喘息患者が服用すると喘息発作を誘発する場合があり、とくにアスピリン喘息いうが、喘息患者の約10%がアスピリンに過敏である。他の酸性非ステロイド性抗炎症薬でも発作が誘発されことから鎮痛薬喘息とも呼ばれる。小児には少なく、患者の多くは30~40歳にかけて発症し、重症患者に多くみられる。慢性鼻炎、鼻茸を合併する率が高い。内服、注射のほか、座薬、貼付薬、塗布薬でも発作を誘発しうる。この患者のなかには、食用黄色4号(タートラジン)、安息香酸ナトリウム、パラベンなど食品添加物に対しても過敏性を持つことがある。これらの薬物は共通してアラキドン酸のシクロオキシゲナーゼ阻害作用を有しており、プロスタグランジン類の生合成阻害、ロイコトリエン類の生合成促進を介して喘息を誘発すると考えられている。鎮痛薬でも塩基性のNSAID、ペンタゾシン、モルヒネ、鎮痙薬は安全に使用できる。アセトアミノフェンは、通常使用量であれば安全に使える。
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