近代的発明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 02:33 UTC 版)
塩酸酸性の塩化金酸水溶液を用いた金、および硝酸銀水溶液を用いた銀の精錬が行われる。さらに融解氷晶石にアルミナを溶解したものを電解液として、アルミニウムを精製することもできる(ホール・エルー法)。 金属の電解精錬で最古に確立した技術は銅の電解精錬であり、1847年にジョージ・リチャーズ・エルキントン(George Richards Elkington)が実験室で成功し、1865年にイギリスウェールズのPembreyに電解工場を建て工業化し、特許を取得した。1869年とする文献もある。 1863年、チャールズ・ワット(Charles Watt)が塩化金酸から電解精錬で金を析出できることを発見した。1874年、いわゆるウォールウィル法が精製を実現させた。この技術が直面した一番の難しさというのは、陽極面に塩化銀が沈着して溶解しなくなってくることであった。この問題は直流の電解電流に交流を混ぜることで解決された。 銀の電解精錬は1884年にメービアス(Bernhard Moebius)が工業化した。日本では、1899年に三菱大阪製錬所が電気分銅工場を完成させ、また1901年に同製錬所においてメービアス銀電解法を開始した。 電解精錬は、三相交流などの電力系統が整備されるにともない、急激な増産を遂げた。銀の増産は価格を下落させて銀本位制の維持を困難にした。かわりに各国で金本位制の採用がすすみ、そのことが大不況 (1873年-1896年) へつながった。
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