転移焦点化精神療法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/11 08:18 UTC 版)
「オットー・カーンバーグ」の記事における「転移焦点化精神療法」の解説
オットー・カーンバーグは、転移焦点化精神療法(Transference-focused psychotherapy ; TFP)として知られる、精神分析的精神療法の集中的な形式をデザインしたが、これは境界性人格構造の患者により向いているとされる。境界性人格構造の患者は情動と思考においていわゆる「スプリット」を経験すると言われ、治療の意図された狙いには自己と対象の表象に分裂した部分を統合することに焦点が当てられている。 TFPは、一週間に最大3回45分~50分のセッションを必要とする、境界性人格構造(BPO)の患者に向けて特にデザインされた、精神分析的精神療法の強力な形式だ。それは、その個人が情動の込められた自己と特定の他者の和解に至っていない矛盾する内的表象を抱えているものと見なす。これらの矛盾した内的対象関係に対する防衛は同一性拡散と呼ばれ、他者や自己との関係を阻害する原因となる。自己や他者や関連する情動に対する歪んだ知覚は、セラピストとの関係の中に出現する(転移)時治療の焦点となる。これらの歪んだ知覚に対する無矛盾な解釈は変異のメカニズムと考察されている。
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