軍の最高指揮権
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 15:20 UTC 版)
「アメリカ合衆国大統領」の記事における「軍の最高指揮権」の解説
大統領は軍(陸軍・海軍・空軍・海兵隊・沿岸警備隊・宇宙軍)の最高司令官(Commander-in-Chief)としての指揮権(国家指揮権限)を保持する。宣戦布告は議会の権限であり、軍隊を募集・編制することも議会の権限である。しかし今日では、議会による宣戦布告を悠長に待っていては先制攻撃が不可能になってしまったり、逆に敵対国から先制攻撃を受けてしまったりする危険性がある為、大統領はこの指揮権を根拠に宣戦布告無しで戦争を開始できることが慣例的に定着している。 実際にアメリカ合衆国が正式に宣戦布告を行ったのは憲法制定以後1812年戦争・米墨戦争・米西戦争・第一次世界大戦・第二次世界大戦の5回しか無く、1941年12月7日(ハワイ時間)の真珠湾攻撃を契機に日本・ドイツ・イタリア王国及び他の枢軸国側に対して行ったものが現在に至るまで最後の正式な宣戦布告であり、朝鮮戦争・ベトナム戦争など1945年以降は議会による宣戦布告は行われていない。 これに対して議会はベトナム戦争における成り行きによった拡大と泥沼化に対する反省から、「戦争権限法」を定めて大統領の指揮権に一定の制約を設けている。なお指揮権とは少々外れるが、アメリカ軍の保有する核兵器の使用権限も大統領が保持しており、大統領が使用命令を出すことで初めて核兵器の使用が許可されるようになっている。
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