設置と相談窓口の開設
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 00:50 UTC 版)
「赤ちゃんポスト」の記事における「設置と相談窓口の開設」の解説
慈恵病院は、2006年12月15日に「こうのとりのゆりかご」の設置申請を熊本市に提出。翌2007年4月5日に市はこの申請を許可し、2007年5月1日に完成、5月10日正午から運用を開始した。同時に慈恵病院は予期せぬ妊娠や赤ちゃんの将来などについて、電話やメールで相談できる窓口「SOS赤ちゃんとお母さんの妊娠相談」の運用を開始した。 「ゆりかご」のイメージが強い本病院の試みであるが、実際には妊娠した女性への対応はほとんどが「SOS赤ちゃんとお母さんの妊娠相談」などの電話やメールでの相談窓口で行われる。病院側は「ゆりかご」はあくまでも緊急避難のためのものであり、相談事業の「SOS赤ちゃんとお母さんの妊娠相談」がメインで「ゆりかご」はその付帯設備であるとしている。当初は年間数十件だった相談件数は、2013年度は1445件になり、2014年には前年に放送されたTBSのテレビドラマ『こうのとりのゆりかご〜「赤ちゃんポスト」の6年間と救われた92の命の未来〜』の影響もあり、約3倍の4036件に激増した。相談は電話がほとんどで県外からの相談が約7割、インターネットで相談実施を知った人がほとんどだった[リンク切れ]。 「ゆりかご」は病院東側に設置されており、60cm×50cm大の扉があり、内部は保育器(インファント・ウォーマー)が設置されていて常時36度に保たれている。扉の中には慈恵病院からの相談連絡先などが書かれた「お母さんへの手紙」が置いてある。子供が入れられるとアラームが鳴り医療従事者が駆けつけ、慈恵病院の医師が健康状態を確認する。防犯カメラが設置されているが親の匿名性を守るため子のみしか映らない。子供の連れ去りなどを防ぐため、扉を閉めると自動ロックがかかり入口側からは開けられなくなる。 「ゆりかご」が設置された2007年当時の潮谷義子熊本県知事は、かつて熊本市内の乳児院「慈愛園乳児ホーム」の園長であった。2007年5月29日、幸山政史熊本市長は「こうのとりのゆりかご」の運用状況について、年1回件数のみを公表するという市の方針を表明した。慈恵病院は運用開始から6か月後の11月に預かった件数と子供の健康状態について公表する方針とした。
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