薬物使用の方針
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 08:59 UTC 版)
自傷行為自体を減らすことを目的としての薬物療法は、行ってはならないとNICEは勧告している。抗うつ薬や抗不安薬の服用が自傷行為の回数を増加させることもあるし、こうした薬物の過剰摂取を引き起こすこともある。併存疾患の治療のために薬物を処方する際には、過剰摂取の毒性を検討し、例えば抗うつ薬では三環系は毒性が高いため処方すべきではなくSSRIが好まれる。 境界性パーソナリティ障害に対する2009年のNICEガイドラインでは、自殺企図や自殺念慮の強い傾向がある場合には薬物療法を用いず、もし用いるとしても相対的に安全な薬で1週間をめどにし、効果がなければ中止することを推奨している。2008年の日本のガイドラインも、そうした患者に対し、抗うつ薬と抗精神病薬のような併用療法の有効性を支持する証拠もなく、同種類の薬を複数処方することにも注意し処方するとしても単剤とし、過量服薬の危険性にも注意し、特にベンゾジアゼピン系抗不安薬を避けることを推奨している。
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