脚の数と構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 19:24 UTC 版)
1929年の原記述は背面のみが見られるタイプ標本(ホロタイプ)に基づいて、本属を他の節口類(カブトガニ類、ウミサソリ類など)と同じく5対の脚のみをもつと考えていた。その後は20世紀後期から2000年代にかけて複数の文献が、腹面と付属肢の基部が見られる新たな化石標本を検証し、本属は6対の脚があるという既知の真鋏角類(ウミグモ以外の鋏角類)の体制を逸している結論を出した。この解釈の場合、前5対の脚は他の節口類の脚に相同で同じく前体の第2-6体節由来し、第6対の脚は第7体節(後体第1節)由来で、同じ体節に由来のカブトガニ類の唇様肢(chilaria)・ウミサソリ類とChasmataspidida類の下層板(metastoma)・ウミグモ類の第4脚に相同と考えられる。これらの脚の基部は嚙み合わせた顎基を有し、化石の背甲からはみ出している肢節は、現生カブトガニ類の第5脚のヘラ状器らしき突起をもち、これはその脚の先端と考えられた。 .mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}} オファコルス(1枚目)とディバステリウム(2枚目)。これらの鋏角類は5対の脚のうち前4対は歩脚状の外肢をもち、その先端は内肢とは逆の向きで背甲からはみ出している。 ウェインベルギナと他の鋏角類の第1-7付属肢対(*:歩脚状の外肢あり)分類/体節1234567(後体第1節)†ウェインベルギナ鋏角 第1脚(*?) 第2脚(*?) 第3脚(*?) 第4脚(*?) 第5脚(*?) 第6脚? 現生のカブトガニ類鋏角 第1脚 第2脚 第3脚 第4脚 第5脚 唇様肢 †ウミサソリ類†Chasmataspidida類鋏角 第1脚 第2脚 第3脚 第4脚 第5脚 下層板 クモガタ類鋏角 触肢 第1脚 第2脚 第3脚 第4脚 - ウミグモ類鋏肢 触肢 担卵肢 第1脚 第2脚 第3脚 第4脚 †オファコルス鋏角 第1脚 * 第2脚 * 第3脚 * 第4脚 * 第5脚 鰭状の付属肢 †ディバステリウム鋏角 第1脚 * 第2脚 * 第3脚 * 第4脚 * 第5脚 唇様肢らしい付属肢 一方、前述の文献に脚の先端と考えられた部分が往々にして脚の基部から途切れて向きも合っていない(先端は外向きに対して基部は内向き)こと、その造形はオファコルスとディバステリウムの外肢に似通うこと、同時にはさみ型らしい脚を保存した化石もあることにより、本属の脚はこれらの鋏角類らしい二叉型構造(脚ははさみ型の内肢と背甲からはみ出した歩脚状の外肢をもつ)であった可能性が浮かび上がり、再検証が必要という2015年の文献からの指摘がある。もしそうだとしてら、「6対の脚」という結論は外肢を内肢と見間違えて加算させた結果かもしれない。
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