第7体節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 14:29 UTC 版)
後体の中で、前体との境目に当たる最初の1節、いわゆる「第7体節」はその性質によって後体的本質が疑問視される場合がある。クモガタ類の場合、この体節は付属肢をもたず、一部の群ではくびれて腹柄(pedicle)に特化したが、その腹板が前体の範囲に食い込んだ例も見られる。カブトガニ類の場合、この体節は前体と融合して背甲に覆われ、1対の唇様肢(chilaria)という前体の付属肢とセットに機能した付属肢をもつ。ウミサソリ類もそれに似て、左右融合した第7体節付属肢と思われる1枚の下層板(metastoma)を有し、前体に食い込むように最終の脚の間に配置される。ウミグモ類の場合は更に異様で、この体節は前体と同形の脚が生えて、ハラフシカブトガニ類のウェインベルギナもこの特徴をもつかもしれない。基盤的な鋏角類とされる化石節足動物(ハベリア、モリソニアなど)のこの体節も、前体の一部として機能する傾向がある。これらの特徴を基に、第7体節の多くの性質は前体的で、むしろ前体の一部と扱うべきではないかという提唱もある。一方、ホメオティック遺伝子発現では、この体節は前体と後体の境目的である。
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