経済理論史におけるMMT:表券主義理論としてとは? わかりやすく解説

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経済理論史におけるMMT:表券主義理論として

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 13:48 UTC 版)

現代貨幣理論」の記事における「経済理論史におけるMMT:表券主義理論として」の解説

表券主義」、「金属主義」、「管理通貨制度」、および「金本位制」を参照 MMT影響与えた先行理論には、ゲオルグ・フリードリヒ・クナップの表券主義アルフレッド・ミッチェル=イネス信用貨幣論ラーナー機能的財政論、ミンスキーの銀行システム論金融不安定性論)、ウェイン・ゴドリー (Wynne Godley) の部門バランス論 (Sectoral balances) などがあり、MMTはこうしたアプローチ統合した理論である。 表券主義 (chartalism) は、貨幣本質国家による貨幣制定見なす学説であり、国家貨幣説とも呼ばれ、クナップによって提唱された。クナップは『貨幣国定説』(1905年) で、貨幣コモディティ実物貨幣)というよりも法による創造物であると論じた。クナップによれば当時金本位制とは、通貨単位価値がその通貨が含むまたは交換される貴金属の量に依存する考え方であるとして、これを金属主義呼んだ。これに対してクナップは、国家純粋な紙幣創造することができ、国家による貨幣公共支出機関によって受け入れられているという限りにおいて、紙幣法定通貨認識することで商品交換可能にすることができるとするとする表券主義論じた経済における国家の役割に関するクナップの思想は、ケインズおよびケインジアン学派影響与えたL.ランダル・レイやマシュー・フォースター(Mathew Forstater)らMMT主張する経済学者は、クナップの他に、アダム・スミスジャン=バティスト・セイJ.S.ミルカール・マルクスウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズなど初期古典派経済学における課税主導の紙としての通貨という表券主義的な観方をさらに一般化したとも主張するレイ以外のMMT主張する経済学者、ウォーレン・モズラー (Warren Mosler), ステファニー・ケルトンビル・ミッチェルMMT数学的フレームワーク行ったパブリナ・R・チェネーバ (Pavlina R. Tcherneva) らも貨幣創造money creation; 信用創造)の仕組み研究をすすめ、こうしてMMTによって表券主義思想復興しレイはこれを新表券主義 (Neo-Chartalism)と称したMMT大きな影響与えた別の理論としては、アルフレッド・ミッチェル=イネス信用貨幣論がある。ミッチェルイネスは、貨幣交換の媒介としてではなく政府による課税通じた繰延支払基準 (standard of deferred payment) として存在しているとし、政府資金課税によって回収できる負債であると論じた このほか、MMT影響与えた経済学者としては、貨幣価値が金と密接に関連しているという考え放棄すべきだとした上でインフレ不況対策回避してきた責任貨幣発行した課税する能力のある国家にあると主張したラーナー金融不安定性仮説提唱して信用創造表券主義的に理解したミンスキーなどがいる。 MMTおよび表券主義思想支持ないしそれに近い研究をしている研究者には、銀行と金システム詳細なテクニカル分析行ったスコット・フルワイラー、ジョン・ケネス・ガルブレイス息子ジェームズ・ケネス・ガルブレイス、銀行貨幣国家貨幣との違い一覧表にしたバジル・ムーア、スティーブン・ヘイル、著書『フリーマネー』で表券主義エッセンス平易に説明したロジャー・マルコム・ミッチェルなどがいる。 2019年2月には、ビル・ミッチェルランダル・レイ、マーティン・ワッツらによる初のMMTベースとした経済学教科書マクロ経済学』が出版された。

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