紅 (Xの曲)とは? わかりやすく解説

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紅 (Xの曲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/12 08:03 UTC 版)

Xシングル
初出アルバム『BLUE BLOOD
B面 20th CENTURY BOY(1989.6.10 日比谷野音ライブより収録)
リリース
規格 8cmCD
ジャンル ロックヘヴィメタル
時間
レーベル SIREN SONG
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 週間5位(オリコン
  • 1989年度年間74位(オリコン)
  • 1990年度年間67位(オリコン)
  • X シングル 年表
    オルガスム
    (1986年)

    (1989年)
    ENDLESS RAIN
    (1989年)
    テンプレートを表示

    」(くれない)は、日本ロックバンドX(現・X JAPAN)が1989年9月1日にリリースした3作目のシングル。メジャー1作目のシングルでもある。1989年日本有線大賞の最優秀新人賞受賞曲で、1992年の『第43回NHK紅白歌合戦』でも演奏された。ファンによる人気投票で収録曲が決められたベスト・アルバム『X JAPAN BEST 〜FAN'S SELECTION〜』では1位を獲得した。

    概要

    表題曲は、メジャー・デビューアルバム『BLUE BLOOD』からのリカットだが、前奏のストリングスの部分がカットされ、HIDEによる静かなアルペジオのオープニングから激しいメタル調へ展開する。曲の終了後には1989年6月10日の日比谷野外音楽堂でのライブ・バージョンが収録されている。

    カップリングには1989年の日比谷野外音楽堂で演奏した、T・レックスの「20センチュリー・ボーイ」を歌唱した音源を収録している。キーが上げられ、若干アレンジされており、中間部ではTAIJIのスラップなどが目立つ。また、ライブではToshIや観客がモンキー・ダンス(両手を前で前後に振って縦ノリのダンスをする)をするのがお約束だった。

    インディーズ時代から度重なるリメイクを経て一時期はボツ曲扱いとなってしまうが、HIDEとTAIJIがリメイクし、現在のメロディーが出来上がった[1]。インディーズ盤に収録されているものまでは「何かに追われるよう」に当たる部分のメロディーの最後を上げていたが、メジャー盤以降のアレンジでは現在の歌いまわしに変わっている。

    音楽雑誌『ロッキンf』(1988年6月号)に「紅 (Original Japanese Version)」を収録したソノシートが付録としてつけられた。このバージョンは、イントロのアルペジオ部がYOSHIKIによるピアノになっているほか、歌詞は『VANISHING VISION』に収録されている英語版の「KURENAI」と本作の日本語版を混ぜ合わせたような形となっている。また、サビの歌詞が「なぐさめるやつは」になっている(他の版では「なぐさめるやつは」)。2023現在、CDや配信などを含め商品化はされていない。

    この曲で、1989年8月25日放送『ミュージックステーション』に初出演した。その際、曲名のテロップが「紅~KURENAI~」と表示されていた[注釈 1]

    再結成後にリリースされた「I.V.」には、この曲の歌詞の「俺が見えないのか すぐそばにいるのに」の部分を「Can't you see me standing right here?」と英訳したものが使用されている。

    ライブでの演奏

    ほとんどのX JAPANのコンサートで演奏されている。TV番組での演奏の場合、このHIDEによるギター前奏部分は、YOSHIKIのピアノに置き換えられたり、新加入したSUGIZOヴァイオリンが加わったり、前奏そのものをカットして始まることもある。コンサートでは必ずこの変調直前でToshl「クレナイだーっ!!」と叫ぶのが恒例であり、ファンを盛り上がりの高揚感に誘うための通例となっている。タイトルを叫ぶのは、この曲を演奏したての頃によく「べに」と間違えられることがあったためだと言われる。この「クレナイだーっ!!」の叫びは1992年の紅白出場時にも行われている。復活ライブではイントロのアルペジオ部分を1997年末のLAST LIVE時のHIDEの映像で再現している。もちろん「クレナイだーっ!!」も健在であった。

    また「何かに追われるよう」に当たる部分のメロディーを、インディーズ時代の唄い回し(メロディーを上げて)で唄う事がある。

    再結成以後は、イントロのアルペジオは長らく『THE LAST LIVE』でのHIDEの映像と音源が用いられ、それに合わせてToshlが序奏(英語詞部分)を歌っていたが、2012年以後はHIDEの映像および音源の使用が出来なくなったため、YOSHIKIのピアノとSUGIZOのバイオリンに合わせたパフォーマンスが中心である。スタジオ音源イントロの逆再生シンバル(リバースシンバル)のフェードインは、ライブの場合、シンバル連打(シンバルロール)でフェードインしたりシンバルのフェードインがなくピアノの余韻が響いているライブもある[注釈 2]

    AメロとBメロを合わせて2度ずつ繰り返して間奏、そしてギターソロが入るが、解散前およびHIDEが映像で共演していた再結成後初期のパフォーマンスでは、その後半のソロの入りでToshlがHIDEの名を呼んでいた。

    TV出演の際には、後半のギターソロを省略する代わりにBメロを挿入し、続いてYOSHIKI以外のメンバーがG.P.(全休止)に入ったサビへと移るバージョンも多く披露されている。

    続いてサビが登場しBメロが再現されるが、その直前のドラムソロ直前には同様にToshlがYOSHIKIの名を叫ぶ。更にその後にはCD音源にはない2度のサビが挿入され、1度目はYOSHIKI以外のメンバーはG.P.(全休止)に入り観客に歌わせ、2度目はYOSHIKIも演奏を休んだ完全なアカペラ状態でToshlが歌う。また、そのアカペラからの復帰は、解散前つまりHIDEの存命時はアタッカ(連続)でなされていたが、21世紀に入っての再結成以後はToshlがサビを歌いきってからYOSHIKIの4カウントで始まる。

    YOSHIKIは復活後のトークライブで「この曲をやるとToshIが寄ってくる」と語っている。YOSHIKI曰く、演奏中に意識が遠のく中で寄りかかったり水を掛けられたりするたびに我に返るらしい。そしてToshlがそういった風に自分を弄ってくれるのが嬉しかったとのこと。

    評価

    BURRN!』1989年10月号のレビューにおいて、広瀬和生は本作のシングル盤について「HELLOWEENあたりの方法論に近い佳曲。」[注釈 3]、「それにしてもこのヴォーカル、もっと高音を楽に出してくれないかなぁ?曲がいいのに、それが気になって、今いち楽しめないのだよ、僕には…。」と100点中65点という低めの評価を下している[2]

    収録曲

    1. 紅 KURENAI +YOUR VOICE (1989.6.10 日比谷野音ライブより収録) - 5:49
      (作詞・作曲:YOSHIKI 編曲:X)
    2. 20th CENTURY BOY (1989.6.10 日比谷野音ライブより収録) - 2:54
      (作詞・作曲:マーク・ボラン 編曲:X)

    カバー

    本曲の主な扱い

    • シングル発売から30年以上経過したが、現在でも日本の高校野球応援曲として定番であり、ブラスバンドが頻繁に演奏している。
    • 頻度は少ないがサッカーの応援でも使用されており、高校では野球と同様にブラスバンドが演奏したり、クラブチームでは川崎フロンターレヴァンラーレ八戸のサポーターがこの曲を元とした応援歌を歌唱している。
    • バンダイナムコゲームスの音楽ゲーム「太鼓の達人」にJ-POPジャンル最高難易度(初出当時)、最高コンボ数(初出当時)999で収録されている。フルコンボを達成すると999コンボとなる曲は現在では何曲か存在するが、この曲はその第一号となっている。2015年にYOSHIKIニコニコ生放送の企画において、この『太鼓の達人バージョン』の紅に挑戦している。
    • YOSHIKIはこの曲について「ちょっと悲しくても、前向きな力を与えたいと思って作った」と語っている[8]
    • 2017年のテレビドラマ『カルテット』の中で主要キャラクター4名(弦楽四重奏=カルテット)がカラオケボックスに集い、失恋したメンバーを慰めるシーンで使用されている[9]
    • 2018年には、高畑充希がこの曲を熱唱するdocomoのCMが放映され話題となった[10]。これに便乗した者も現れ、中でもきゃりーぱみゅぱみゅTwitterにて発表したものはYOSHIKIも反応するなど、一時ブームになった[11]
    • TOKYO 2020ボクシング女子フェザー級の、金メダリストである入江聖奈選手の入場曲としても使用された[12]
    • 漫画作品『カラオケ行こ!』と同名の実写映画作品では、主人公のカラオケ勝負曲として紅が登場する[13]

    収録アルバム

    #1

    #2

    脚注

    注釈

    1. ^ この表記は同年10月20日放送時も使われ、それ以降は「紅」と表記されていた。
    2. ^ リバースシンバルは、ドラムの生演奏で再現できる音ではないのでシンバルロールで代替したりするもの。「紅」のリバースシンバルとシンバルロールは、それぞれ1987年の音源で既に取り入れていることが確認できる。
    3. ^ HELLOWEENもクラシックの影響があるバンドである。クラシック曲に言及すればサビにフランツ・リストのピアノ曲「ラ・カンパネラ」クライマックスのフォルティッシモのフレーズの手法があり、このあたりにYOSHIKIとクラシックの親和性が表れている。曲中クラシックだけでなくジャズドラムの特質であるバウンスのリズムが1回目のサビの後に来る。

    出典

    1. ^ 2018年2月5日にてニッポン放送で放送された『ToshlのオールナイトニッポンPremium』内によるToshlの発言より[出典無効]
    2. ^ 『BURRN!』1989年10月号、シンコーミュージック・エンタテイメント刊、173p
    3. ^ “『アイドルマスター シンデレラガールズ』7thライブの千秋楽となる大阪公演2日目の模様をレポート”. ファミ通App. (2020年2月17日). https://app.famitsu.com/20200217_1590227/ 2020年2月18日閲覧。 
    4. ^ V系バンドぞんびによるX JAPAN「紅」カバーMVフル公開”. 音楽ナタリー. 2023年2月20日閲覧。
    5. ^ ポセイドン・石川、“あの方“の誕生日にメジャー・デビューアルバム『POSEIDON TIME』緊急発売決定、2月4日リリース”. OTOTOY. 2023年2月20日閲覧。
    6. ^ ハラミちゃん、初のカバーアルバム発売決定”. BARKS. 2020年6月20日閲覧。
    7. ^ Little Glee Monsterが90人の合唱部とX JAPAN「紅」カバー、映画「カラオケ行こ!」主題歌に」『音楽ナタリー』2023年11月17日。2024年1月11日閲覧
    8. ^ デイリースポーツ” (2015年9月6日). 2015年9月10日閲覧。
    9. ^ “【『カルテット』四夜連続自由研究①】神ドラマを彩った14の音楽”. rockinon.com. (2017年7月5日). https://rockinon.com/news/detail/163347 2021年3月8日閲覧。 
    10. ^ “高畑充希、X JAPAN「紅」熱唱CMが話題「歌唱力半端ない」「上手すぎる」”. モデルプレス. (2018年6月26日). https://mdpr.jp/news/detail/1775687 2018年6月27日閲覧。 
    11. ^ きゃりー歌う「紅」に手厳しい反応 声震わせ大熱唱も「高畑充希の方が...」” (2018年7月10日). 2019年8月16日閲覧。
    12. ^ “笑っていた入江聖奈、右を打ち抜き逃げずに頂点 入場曲はXの「紅」”. 朝日新聞DIGITAL. (2021年8月3日). https://www.asahi.com/articles/ASP834SB5P83UTQP011.html 2021年8月3日閲覧。 
    13. ^ “綾野剛「カラオケ行こ!」ティザービジュアル披露 原作者・和山やま「『これが観たかった』というのが一番の感想」”. 映画.com. (2023年7月27日). https://eiga.com/news/20230727/21/ 2023年7月28日閲覧。 

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