系統学と化石
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 00:08 UTC 版)
生命誕生以来、地球の表層部に蓄積された化石は莫大な数に達する。これらの化石は記載され、化石標本をもとに同定され、現生の生物と同様にその系統的類縁関係の検討の結果、過去から現在につらなる動植物界のドメイン・界・門・綱・目・科・属・種などの分類上の階級的位置が定められ、系統進化の道筋が明らかにされた。それは通常系統樹(デンドログラム)というかたちでまとめられ、叙述される。また、データの検討と考察によって、種の分化、進化のスピード、絶滅の原因などについても追究されている。さらに、こんにちではコンピュータによる統計処理によってデータの定量的解析が飛躍的に進んでいる。だが、現生の生物の祖先の形を知るには、現在でも化石以外に頼れる証拠はない。いずれにせよ、系統学の存在と発展にとって化石はなくてはならない根本的な資料であり、化石がなくては系統学そのものが成り立たない。
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