等級付け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 08:07 UTC 版)
完全にキュアリングを終えると、バニラの莢果は品質ごとに選別されて等級付けされる。使われているバニラ莢果の等級体系は複数ある。バニラを生産する各国に独自の等級体系があり 、個々の販売業者が自分達の販売する莢果の品質を説明するのに独自基準を使っている場合もある。 一般的にバニラ莢果の等級は、莢果の長さ、外観(色、光沢、裂け目や傷の有無)、水分含有量に基づく。視覚的に魅力的な全体が暗い色でふっくらした油性の莢で、傷がなく水分含有量が高いものが最高等級とされる。このような莢果は、その外観でシェフから特に高く評価されており、美食料理で登場することがある。病気ほか局在的な瑕疵の徴候が見られる莢果は、傷を取り除くために切断される。残った短い断片は「カット」と呼ばれ、水分含有量の低い莢果と同じく低い等級に割り振られる。低等級の莢果は、バニラ抽出香料の製造や香水産業など、外観がさほど重要でない用途で優先される傾向がある。 等級の高い莢果は、市場でより高い価格が付される。ただし、等級は視覚的外観と含水率に大きく依存するため、最高等級の莢果に含まれる特徴的な香味分子(バニリンなど)の濃度が必ずしも最も高いわけではなく、必ずしも最も風味豊かとは限らない バニラ莢果の等級体系(マダガスカルで採用)等級色外観/感触およその水分含有†Black 暗褐色から黒 油のような光沢でしなやか 30%超 TK (Brown, or Semi-Black) 暗褐色から黒でたまに若干の赤い縞模様 Blackみたいだがより乾燥/硬い 25-30% Red Fox (European quality) 赤みがかった品種での茶色 若干の傷 25% Red American quality 赤みがかった品種での茶色 Red Foxと似ているが傷が多く、より乾燥/硬い 22-25% Cuts 短いもの、千切れているもの、しばしば裂けた莢果で、典型的には標準以下の香りと色 † 含水率は引用元によって異なる。 調理用のバニラ莢果を分類する、別の簡便な等級体系が提案されている。 調理用の簡便なバニラ莢果の等級体系A等級 /1級 15 cm以上、1ポンドあたり100-120個の莢果 「グルメ」「プライム」とも言う。水分含有30-35% B等級 /2級 10-15 cm、1ポンドあたり140-160個の莢果 「抽出莢果」とも言う。水分含有15-25% C等級 /3級 10cm この分類だと、バニラ抽出物は一般にB等級の莢果から作られる。
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