第4正規形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 07:30 UTC 版)
第4正規形 (fourth normal form; 4NF) では候補キーではない属性への多値従属性をもった属性があってはならない。 多値従属性の定義を述べる。R を関係とし、A, B, C を、R の属性集合の任意の部分集合とする。R のある (A値, C値) 対に対応するB値の集合がA値だけに依存し、C値には独立かつそのときに限り、B は A に多値従属しているといい、次のように表す。 A B 例を示して説明する。この例は、講義コースの関係データベースである。各コースで推奨されている参考図書がある。各コースには講義する予定となっている講師がいる。 講義コースデータベースの関係コース参考図書講師AHA Silberschatz John D AHA Nederpelt John D AHA Silberschatz William M AHA Nederpelt William M AHA Silberschatz Christian G AHA Nederpelt Christian G OSO Silberschatz John D OSO Silberschatz William M 講師はコースに属している。参考図書はコースに属している。講師と参考図書は互いに独立している。こうしたことから、このデータベース設計には多値従属性が存在すると、述べることができる。この例の関係は {コース, 参考図書, 講師} を候補キーとするボイス=コッド正規形 (BCNF) であるが、第4正規形 (4NF) ではない。仮に AHA コースに新しい参考図書を追加しようとする場合、そのコースの各講師のデータに対して参考図書を追加しなければならない。逆に AHA コースに新しい講師を追加しようとする場合も同様である。形式的にはこの例の関係には次の2つの多値従属性がある。 {コース} {参考図書} {コース} {講師} この例の関係のように、決定項(多値従属性の左側)が候補キーではない多値従属性のある関係では、冗長性がある。正規化においては、自明でない多値従属性の存在する関係においては決定項が候補キーである場合に限り、第4正規形 (4NF) である。このとき多値従属性は事実上は関数従属性である。多値従属性は関数従属性を一般化した概念と位置づけることができる。 前述の例の関係は、次のように2つの第4正規形 (4NF) の関係に分解して正規化することができる。 コース参考図書AHA Silberschatz AHA Nederpelt OSO Silberschatz コース講師AHA John D AHA William M AHA Christian G OSO John D OSO William M
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