第2段の強化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 16:17 UTC 版)
強化型ではERGとASNARO-2の両衛星の打ち上げに対応させるために、太陽同期軌道打ち上げ能力が試験機の450kgから約30%増の590kg以上に強化され、フェアリングの衛星包絡域も15%拡大される。これを同時に達成するために、第2段モーターにM-35が新規開発される。M-35ではM-34cと比べて、モーター径を2.2mから2.5mに拡大させ、推進薬を約11トンから15トンに増量させ、推進薬の一つのアルミニウム粉末をSRB-Aと共通化し、推進薬燃焼速度の調整方式と推進薬充填形状を変更することで低廉化を図る。また、モーターケースの更なる軽量化も図られる。モーターケースはCFRP製で、従来までは設計係数(安全係数)が1.5に設定されていたが、技術の進歩によりCFRPの品質の誤差が十分に解消されているとして、M-35のモーターケースでは設計係数を金属製と同様の1.25に落とす。これにより、仮にモーターケースが同様の大きさの場合20%軽量化できることになった。またモーターケースと推進剤の間の断熱・水密・気密の3層構造を単層化して軽量化する。M-35の初の燃焼試験は2015年12月21日に能代ロケット実験場で行われた。さらに、フェアリングの外に第2段のM-35が配置(2段エクスポーズ化)されるようすることでフェアリングの全長を最適化し衛星包絡域の拡大を達成する。
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