イプシロンロケットとは?

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イプシロンロケット

別名:イプシロン

JAXA宇宙航空研究開発機構)が中心となり開発された国産固体燃料ロケット2010年頃から本格的開発が進められ、2013年9月に初の打ち上げ実施成功させた。

イプシロンロケットは、既存国産ロケットに対して、より安価に、より手軽打ち上げられるロケットとして開発された。2000年代半ば運用終了した固体燃料ロケットM-V」(ミューファイブ)や、現役大型液体燃料ロケットH-IIA」などから技術構成要素積極的に流用し、開発生産コスト低減を図っている。例えロケット一段目はH-IIAブースター転用された格好となっている。

また、イプシロンロケットでは「モバイル管制」と呼ばれる自律点検システム初め導入されている。これは、ロケット発射台据え付けられた後の、打ち上げ直前最終点検作業コンピュータに行わせるもので、従来人海戦術的な点検作業比べ人員も期間も大幅削減できる。しかも普通のノートPC点検作業が可能であるという。

イプシロンロケットの初の打ち上げ2013年8月22日予定された。8月前半配線上のミス見つかったため打ち上げ予定日27日に延期されたが、当日打ち上げカウントダウン中にモバイル管制システムが異常を検知して打ち上げ自動停止した。停止原因調査経て9月14日に再び打ち上げ実施し、予定通り軌道科学衛星SPRINT-A」を投入することに成功した。

関連サイト
イプシロンロケット - JAXA宇宙航空研究開発機構

【イプシロンロケット】(いぷしろんろけっと)

日本の宇宙開発組織JAXA宇宙航空研究開発機構)」が開発中の固体燃料大型宇宙ロケット
JAXA前身のひとつである「ISAS文部省宇宙科学研究所)」が1970年代開発した「ミューロケット」(2006年運用終了)の後継として開発が行われている。

本機はミューシリーズの最終型「M-V」をベースに、JAXAが現在運用中の液体燃料ロケットH-II技術取り入れ打ち上げに必要なコストM-Vの約70%に削減
また、人工知能による自己点検機能実装省人化された地上管制システムにより、打ち上げ準備に必要な期間もM-V42日間から7日間へ短縮するなど、内外からの人工衛星打ち上げ需要即応できるシステム目指している。

本機の第1号機2013年打ち上げ予定している。


イプシロンロケット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/06/15 16:37 UTC 版)

イプシロンロケット(Εロケット、英訳:Epsilon Launch Vehicle)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)とIHIエアロスペースが開発した、小型人工衛星打ち上げ用固体燃料ロケット。当初は次期固体ロケット (じきこたい - )の仮称で呼ばれていた。




  1. ^ 打ち上げ能力は低軌道に500kg。コストはM-Vの1/3以下の25億円。第3段を付加した場合は低軌道に1.3tで、惑星間軌道には130kg程度。JAXA河内山理事に聞く次期固体ロケット 日経BP net 2006年8月6日
  2. ^ 宇宙開発における計画管理は進捗によって「研究(研究→概念設計)」→「開発研究(予備設計)」→「開発(基本設計→詳細設計→維持設計)」→「運用」の4つの段階(フェーズ)に分かれている。要求に基づき仕様や計画を決めるのが「研究」、使用や計画を詳細に文書化し、新技術の試作をし実現性の目処を付け、開発体制を構築するのが「開発研究」、設計についての各種解析をし、全体の試作品から実機を作り、各種試験を行うまでが「開発」である。「開発研究」までが企画立案フェーズ、「開発」以降が実施フェーズである。宇宙開発委員会は各フェーズアップに対する審査を行う。この一連の開発手法をNASAではPPP(Phased Project Planning)と呼び、NASDAが取り入れたものである。5.評価実施のための原則(文部科学省公式サイト)設計品質確保の思想 航空宇宙エレクトロニクスに学ぶ「信頼性設計」(Tech Village 2006年3月28日)図1 宇宙開発委員会における宇宙開発プロジェクトの評価システム(宇宙開発委員会公式サイト)を参照。
  3. ^ 全長約25.2m、直径2.1m(上段)/2.5m(1段)、全備質量約90.8ton、第2段はM-34を基に新規開発したM-35、第3段はKM-V2を基に新規開発したKM-V3。次期固体ロケットの研究概要 IHI技報 第49巻第3号 164頁-171頁(PDF:977KB) 大塚浩仁、矢木一博、岸 光一、野原 勝、佐野成寿
  4. ^ 積荷である小型科学衛星は、2009年9月時点で、1号機2012年度、2号機2013-15年度、3号機2016年度までの打上げを想定していた。中川貴雄,澤井秀次郎,第10回宇宙科学シンポジウム 小型科学衛星シリーズの現状(ISAS)
  5. ^ 変更点は、
    * 第2段と第3段はM-Vを基にほぼ新規開発 → モーターケースのみを新規開発
    * 構造は全面新規開発 → フェアリングとRAF等のみを新規開発
    * 火工品はH-IIAから流用 → H-IIAとM-Vから流用
    * アビオニクスはH-IIAを基にほぼ新規開発 → 大幅にH-IIAから流用
    * 小型液体ステージ追加
  6. ^ ネットワークに接続しないパソコンでもUSBメモリー等によるウイルス感染は防ぎきれず、ウイルス対策に頻繁なシステム更新を行えば実績の少ないシステムを使う事によるリスクが高まる。
  7. ^ SRB-AはH-IIAロケットの補助ロケットして最適化している。推進薬量や燃焼時間などは充填する推進薬の形状を新たに設計し、調整すればモーターケースはそのままに効率化することができる。
  8. ^ イプシロンロケットの射場作業1日あたりのコスト低減効果は約800万円
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  14. ^ 朝日新聞 2008年1月7日の記事
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  48. ^ Stephen Clark (2013年9月12日). “Rockot launch clears way for long-delayed ESA mission”. SpaceFlightNow.com. 2013年9月16日閲覧。


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