競馬文学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 09:23 UTC 版)
菊池寛に代表されるように、戦前から文人と競馬のつながりは深い。1936年に中河与一が発表した『愛恋無限』は、騎手と医療機器店の令嬢との悲恋を描いた作品で、競馬を題材にした文学作品としては最も初期のものとされ、後年テレビドラマ化もされている。 一方、純然たる競馬文学としては1946年に発表された織田作之助の『競馬』がその嚆矢とされる。 これ以降しばらく、競馬そのものを材にとった作品は見られなかったが、1970年に新橋遊吉が『競馬放浪記』に代表される一連の競馬小説を世に送り、競馬文学への理解を深めるのに一役買った。その後、寺山修司が『馬敗れて草原あり』など競馬を題材にしたノンフィクション、詩、エッセイを多数発表。1974年には志摩直人の競馬詩集『風はその背にたてがみに』がベストセラーとなった。 この時期には「東の寺山修司、西の志摩直人」と呼ばれるなど競馬文学界の巨頭として並び称されていた。 1982年から小説新潮スペシャルで連載されていた宮本輝の『優駿』は1986年に単行本化されるとヒット作品となり、1988年に『優駿 ORACION』として映画化されるに至った。この他、西村京太郎の「日本ダービー殺人事件」がある。 競馬文学を主な対象とした賞としては、JRA主催のJRA賞馬事文化賞、競馬雑誌『週刊Gallop』主催の「Gallopエッセー大賞」などが知られている。
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