競争と技術革新
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/14 23:12 UTC 版)
「ネットワーク中立性」の記事における「競争と技術革新」の解説
ネットワーク中立性の支持者らは、"content gatekeepers"(コンテンツ門番)などと呼ばれるケーブルテレビ会社に速度や品質を保証した特別料金を徴収する権利を認めれば、ティム・ウーが "unfair business model"(不公平なビジネスモデル)と呼ぶ状態を作り出すと主張している。「個人のブログからGoogleまで、あらゆるウェブサイト」に課金することで、ネットワーク業者は支払えないサイトへのアクセスを断つだけでなく、競合する他社のウェブサイトをブロックすることもできると、ネット中立性支持者は警告している。ティム・ウーによれば、ケーブルテレビ会社は自社のサービス用に帯域幅をとっておき、他社からは優先サービスの料金を徴収しようと計画しているという。 ネットワーク中立性の提唱側は、インターネットのトラフィックに多層型のサービス体系や優待サービスを採用することを許せば、後発のオンライン企業ほど不利な立場に置かれ、オンラインサービスの技術革新が遅くなると主張している。ティム・ウーは、中立性を確保しなければ、インターネットが「技術革新が支配する市場から取引が支配する市場へ」と変質するだろうと主張している。SaveTheInternet.comはネットワーク中立性によって「平等な場」が形成されるとし、「インターネットは常に技術革新によって発展してきた。ウェブサイトやサービスはそれら自身の価値によって成功したり失敗したりしている」と主張している。ローレンス・レッシグとロバート・W・マクチェズニーは次のように述べている。 ネット中立性がなければ、インターネットはケーブルテレビのようになっていくだろう。一握りの大企業があなたが見るものやその値段を決め、コンテンツのアクセスと配布をコントロールするだろう。医療、金融、小売、ギャンブルといった主要産業は高速かつ安全にインターネットを使用するために法外な料金を課されることになるだろう。(中略)インターネット史上の革新を成し遂げてきた人々の多くは、素晴らしいアイデアと少ない資金だけでガレージで起業した。これは偶然ではない。ネットワーク中立性を保持することで、ネットワーク所有者による統制を最小化し、アイデアを持った第三者の参入と競争を最大化する。ネット中立性は、インターネットコンテンツのための自由で競争の激しい市場を保証する。 —Lawrence Lessig & Robert W. McChesney
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