砲システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 14:04 UTC 版)
対戦車車両としては対戦車ミサイルを主武装とした装輪車両もあり、M1134 ATGMや9P122などが存在する。しかし、対戦車ミサイルは飛翔速度で砲に劣り、誘導方式によっては発射車両を危険に晒すという弱点を持ち、かつ単価が高い。また、一般的な陸上戦闘では戦車のような厚い装甲を備えた車輌以外にも、軽装甲車輌や歩兵、陣地を目標とする場合があり、こういった突撃砲に近い任務ではミサイルよりも、安価で多様な砲弾が使えて必要ならば曲射射撃まで行える戦車砲の方が適していることが多い。対戦車ミサイルは厚い装甲板を穿孔する能力に特化しているものが主流であり、榴弾のような全周方向への攻撃力は劣っている。 装輪戦車に使われている砲は、対戦車能力を重視した場合で105mm、自走歩兵砲として火力支援能力を重視した場合は90mmや76mm程度で、かつ低圧砲であることが多いため、現代の主力戦車の前面装甲を貫けない可能性が多く、脆弱な装甲と相まって多くの場合、対戦車戦闘は避けなければならない。ただし、技術の進歩によって105mm砲用APFSDSの性能は飛躍的に向上しており、ベルギーで2002年に開発されたM1060A3は侵徹力が460mmに達している。これは90式戦車で使用されているJM33の原型であるDM33に匹敵する。また、多くの国では高価な現用戦車を購入することができず、旧式化した戦車を使用している場合が多く、南アフリカ共和国軍のルーイカットのようにそれらを仮想敵とする場合もある。
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