石井徹による論評
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 08:34 UTC 版)
「BALMUDA Phone」の記事における「石井徹による論評」の解説
石井徹は同18日、上述のとおり持ちやすさを評価した上で、本製品が「体験価値のわりに高価である」として、次のように批判した。 スペック(基本性能)だけ見れば、割高感は否めない。本製品が搭載するSoCのSnapdragon 765は、2020年冬にSoftBankが発売した『AQUOS zero5G basic』(6万5,520円)、京セラが製造した『TORQUE 5G』(8万8,885円)のものと同一である。 一方、本製品はSIMフリー版でも10万4,800円、さらにSoftBank版は14万3,280円と、両機種の価格を上回っている。ただし、実際の販売時には店舗によって値引きが行われ、購入価格はこれより安くなることもありえる。 10万円のスマホとしてふさわしい質感や性能を備えているかというと、足りない部分はかなり多い。ディスプレイ(画面)には液晶でなく有機ELを採用してほしかった。 液晶画面内のパンチホールカメラは、カメラ周辺の穴を大きく開ける必要があるため、本製品の小さい画面の中では目立つ。 ディスプレイの画質自体も、他社のハイエンド(高価格帯)モデルと比べると見劣りする。 カメラアプリにはこだわりがほとんど反映されていない。カメラのユーザインタフェースには作り込みが足りず、被写体に応じて手動でモードを選択する必要がある。 独自アプリはパスポートをモチーフとしたデザインで統一感があり、動作も悪くない。スケジューラアプリは独創的で、使い勝手も良さそうに見える。 一方、メモ帳アプリは複数のデバイスで共用できることが重要だが、本製品の専用アプリはPCや他のスマートフォンとの同期という面で、使い勝手に疑問が残る。また、時計アプリに関しては、目覚まし時計の設定は音声入力のほうが快適に操作できるのではないか。 さらに計算機アプリには、他社で多く搭載されている関数電卓の機能がない。かわりに『億万ボタン』が搭載されるが、使用機会には疑問がある。 本製品は良くも悪くもバルミューダらしい。手に取った際の持ちやすさは確かに近年のスマホで軽視されがちな部分を満たしている面もある。『1%の人に刺さるデバイス』としては成立し、実用性も及第点にあるとは思える。 今後の課題は継続的なアフターサポートを行えるかどうかだろう。スマホで満足な体験を生むためには、販売後もアプリを継続的に改良し、OSバージョンアップを提供していく必要がある。そこにバルミューダ社の姿勢が試される。
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