発現経路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/19 17:40 UTC 版)
「主要組織適合遺伝子複合体」の記事における「発現経路」の解説
ウイルスのように感染した細胞内で増殖する病原体や、あるいはがん細胞内で産生されるタンパクなど、細胞質内のタンパクはユビキチン化された後、プロテアソームによって5〜15アミノ酸程度のペプチドにまで分解される。分解されたペプチドは、小胞体 (ER) 膜上にあるTAP (transporter associated with antigen processing) というATP駆動型トランスポーターによって小胞体 (ER) 内部に輸送される。なおTAPの構造は、膜貫通型であり、TAP1とTAP2からなるヘテロ二量体である。なお一般にABC輸送体と呼ばれるATP駆動型トランスポーターは膜貫通型である。TAPを、ABC輸送体の一種として分類することもある。 MHCクラスIα鎖とβ2ミクログロブリンは小胞体(ER)内で合成され、小胞体(ER)内でMHCクラスIα鎖、β2ミクログロブリン、そしてペプチドの3つが結合してMHC-ペプチド複合体を作る。その後、MHC-ペプチド複合体は、より小さな小胞体の内部に置かれて、小胞輸送によって細胞膜を目指して運ばれる途中でゴルジ体を通り、糖鎖修飾を受けた後、細胞膜上に到達して発現する。
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