田島火力発電所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/28 02:40 UTC 版)
「東京電力 (1925-1928)」の記事における「田島火力発電所」の解説
東京電力では、需要地側にあたる神奈川県川崎市に2か所の火力発電所を運転した。1か所目の田島火力発電所は旧群馬電力が計画したもので、1924年に着工、東京電力発足後の1925年12月に竣工した。運転開始は翌1926年1月初旬である。所在地は川崎市田島町、発電所出力は10,000 kW。 水力発電事業においては、大正時代中頃より使用水量を河川の渇水量ではなく平水量(6か月流量)にあわせて設計するのが一般化した。その結果、単位当たり建設費が安くなる一方で季節により発電量に変動が生じる。この差分を特殊電力といい、供給先は第一次世界大戦期においては通年操業を必要としない電気化学工業が定番であったが、戦後は同方面の需要が減退したため、一般需要に振り向けるべく渇水期には火力発電所を運転し発電量を一定化するという操作(火力併用)が一般化していく。田島火力発電所も同種の意図をもって旧群馬電力が計画したものである。 1928年時点における設備等は以下の通り。 ボイラ:エッシャーウイス製ボイラ6台(うち1台予備) 原動機:エッシャーウイス製蒸気タービン2台(うち1台予備) 発電機:ブラウン・ボベリ製三相交流発電機2台(容量5,000 kW、うち1台予備) 田島火力発電所の廃止時期は不詳。逓信省の資料には、1939年時点での東京電灯発電所一覧に出力8,000kWの予備発電所として記載がある。
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