生物学上の重要性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 21:21 UTC 版)
「ハテナ (生物)」の記事における「生物学上の重要性」の解説
地球上の生物が有する全ての葉緑体は、元来がその細胞の共生微生物であったに違いないと信じられている。 それなのに、他の一般的な藻類では、ハテナに見られるような現象が起きないのは、細胞が分裂する際、あるいは、その前に葉緑体も分裂して、分裂後の細胞に分配されるからである。しかしながら、細胞と葉緑体が、本来は別の生物であったのであれば、むしろ、細胞分裂の際に、分裂後の複数の細胞に葉緑体が配分される方が不思議だと言える。恐らく、そこに完全な細胞内共生の成立に至る、重要な段階があったと想像される。このハテナでは、それが起きていないのであれば、葉緑体の共生への過程における具体的な問題が、ハテナの研究から得られると期待できる。 また、もしハテナの細胞分裂後に生ずる無色個体が、何らかの方法で外部から共生体を入手している事が真実であれば、単細胞の藻類が、ごく短い時間に、それも世代を経る事なく、ある程度の形態の変化を起こしている事を意味する。これを研究すれば、葉緑体を有さない細胞が、外部から藻類を取り込んで、葉緑体化する仕組みを理解できる可能性も考えられる。 いずれにしてもハテナは、藻類の2次共生による原生動物の藻類化に関して、重要な問題を提供する生物である。
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