現場の地理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 22:10 UTC 版)
酒匂川水系に属する玄倉川は標高1,673メートルの丹沢山地最高峰である蛭ヶ岳、檜洞丸、塔ノ岳を始めとする急峻な山を水源とする。丹沢山地は、登山口が小田急小田原線沿線ということもあって登山者が多いが、相模湾からの湿った暖かい空気を高い標高で引き受けることから冬季を除いて降水量が多く、また地形的にもかなり険しい山地である。 地理的には、玄倉ダム付近から上流は特に渓谷となっており、ユーシン渓谷など難しい沢登りのコースが数多くあることでも登山者に知られている。 気象条件と地理条件を考慮すると、玄倉川は降雨量によっては急激に水位を増す可能性の高い渓谷である。玄倉ダムも渓谷を堰き止める形で建設されたものである。遭難現場は、砂防用に造られた立間堰堤上流の水流が湾曲する地点に広がった堆砂地で、河床幅は約100メートル、堰堤より2メートル高かった。冒頭に掲げた遭難現場の写真からは傾斜の少ない地形がキャンプの適地にもみえるが、植生があまりない場所であることからも窺えるように、豪雨の際は水没する地点である。
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