毎月分配型投資信託の人気化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/31 08:20 UTC 版)
「毎月分配型投資信託」の記事における「毎月分配型投資信託の人気化」の解説
2000年代に入り、団塊の世代が退職を迎える時期になって、毎月年金代わりに分配金を受け取れる事をメリットと感じた高齢者を中心に、大量の資金がこの種の投信に流入するようになった。国際的な金利低下を背景に、安定的に債券で収益を上げる事が出来るようになった(金利が低下すると債券価格は上昇する)市場環境の後押しを受けて、毎月分配型ファンドの基準価額(一般的な購入単位である10000口の価格)が安定したことも、それに拍車をかけた。 三菱UFJ国際投信が運用するグローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)は高格付けの先進国国債に投資を行い、安定した分配金と基準価額の値動きを背景に人気化した。金融危機直前の2008年には一時5兆5千億円を超える純資産総額を運用する日本最大の毎月分配型投資信託であった。決算頻度の違う兄弟ファンドも合わせると約6兆円の運用額があり、お化け投信とも呼ばれたが、金融危機の影響による基準価額の下落、分配金の減少などから顧客からの解約が相次ぎ2014年4月には12年守り続けた日本最大の毎月分配型ファンドの座から陥落した。 2000年台後半から、高水準の分配金を出すファンドの人気化をうけて、リスクの高い低格付債や新興国の債券に投資し高いリターンを狙うもの、高配当の株式に投資するもの、不動産投資信託(REIT)に投資するもの、それらを組み合わせて投資するバランス型ファンドなども現れるようになった。2008年の金融危機後も毎月分配型投資信託の人気は継続し、2016年11月末時点で純資産総額は33.6兆円と全投信の55.8%を占めている。2020年4月時点で、日本で最大の純資産総額を有する毎月分配型投資信託(株式投資信託)はピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)であり、その純資産総額は約9兆3千億円となっている。
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