構造と触媒活性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 19:25 UTC 版)
「内皮型一酸化窒素合成酵素」の記事における「構造と触媒活性」の解説
eNOSは同一な 134 kDaの単量体2つからなる二量体で、各単量体は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)、フラビンモノヌクレオチド(FMN)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)の結合部位であるレダクターゼドメインと、ヘム、亜鉛、補因子のテトラヒドロビオプテリン(BH4)、基質のL-アルギニンの結合部位であるオキシダーゼドメインによって構成される。レダクターゼドメインとオキシダーゼドメインはカルモジュリン結合配列によって連結されている。血管内皮では、NOはeNOSによってL-アルギニンと、ヘム基に結合する酸素分子から合成され、最終的にはNOとL-シトルリンが形成される。eNOSが効率的にNOを産生するためには、補因子BH4の結合が必要不可欠である。この補因子がない場合、eNOSは二量体型から単量体型へと移行し、脱共役した状態(uncoupled eNOS)となる。このコンフォメーションでは、eNOSはNOの代わりに、非常に反応性の高いフリーラジカルであるスーパーオキシドアニオンを産生し、心臓血管系に有害な結果をもたらす。
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