楽器の音域
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/25 16:35 UTC 版)
楽器の音域とは、音の高さを識別できる楽器にあって、その楽器で出すことのできる音の高さの範囲のことである。ただし最低音と最高音の間を連続的に全ての周波数の音を出すことができなくとも問題とされない。 ヴァイオリン族やトロンボーンは音高を連続的に変化できるが、一般的な鍵盤楽器では、音域内は1つ1つの鍵に半音単位で音高が割り当てられていて、鍵の間の音、つまり微分音は出すことができない。さらに楽器によっては、半音単位ですら音高を出せないことや、特定の音高だけ非常に演奏困難であったりすることもある。なお、その楽器の音域全般に渡って、同じ音色が出るとは限らない、すなわち、音域内の音高を出すことができたとしても、その音高によって音色が変化することもある。 楽器の音域は、楽器の特性だけで決まるのではなく、演奏者の技量などが関係することもある。特に、管楽器の音域の高音側の限界に近い音は、一般に発音自体が困難であり、演奏者の技量によって限界が変化する。また、弦楽器の最高音はハーモニクス奏法などを用いると、原理的には際限無く高い音を出せるため、限界は演奏技術や音質、確実性に相互に依存する。なお、弦楽器の音域は、このハーモニクスを含まないで数えることも多い。このように、その楽器の最高音をどの音高と考えるのかについては、その基準が曖昧である。対して、楽器の最低音は、その楽器の大きさによって決まってしまうことが多いため、その楽器の最低音をどの音高と考えるのかついては、比較的明快である。最低音をより低くするためには、特殊な操作を行う必要が出てくる。
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