ロドリーゴ:朱色の塔のかげに
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ロドリーゴ:朱色の塔のかげに | A l'ombre de Torre Bermeja | 作曲年: 1945年 出版年: 1947年 初版出版地/出版社: Editora nacional |
作品解説
アレグロ・マ・ノン・トロッポ Allegro ma non troppo ホ短調 3/4拍子
1943年に亡くなったスペインが誇る偉大なピアニスト、リカルド・ビニェス追悼のためにE.アルフテル、モンポウ、ロドリーゴの3人の作曲家がオマージュを捧げた。その時に、ロドリーゴが作曲したのがこの「朱色の塔のかげに」である。ビニェスがアルベニスの「12の性格的小品集Op.92」の「朱色の塔」を愛奏していたことから、「朱色の塔」のモティーフを引用して作曲されている。「朱色の塔」とはグラナダのアルハンブラ宮殿の塔のことで、文字通りアルベニスの「朱色の塔」の「かげに」置かれる存在となった。1947年に「リカルド・ビニェスを讃えて」という名のもと3曲まとめて曲集として出版された。
冒頭はギターの書法を用いたようなホ短調の3連符で始まり、エキゾチシズムあふれる楽想が奏でられる。ホ長調の中間部にはいると曲調は一転して穏やかになり、長7の和音を用いた美しいメロディが歌われる。再び冒頭の楽想に戻ると、コーダでは中間部のメロディが弔いの鐘の音のように回想して現れ、曲は静かに終わりを迎える。
ホセ・クビレスによって、1946年にマドリードで初演された。ロドリーゴのピアノ曲の中で最も演奏機会が多い曲の一つである。
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