未発表のノルウェー民謡のピアノ編曲とは? わかりやすく解説

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グリーグ:未発表のノルウェー民謡のピアノ編曲

英語表記/番号出版情報
グリーグ:未発表のノルウェー民謡のピアノ編曲Hidtil utrykte norske folkviser sat for Piano  Op.66作曲年1896年  出版年1897年  初版出版地/出版社Peters 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 第1番 Kulokk (Cow-call)1分10 No Image
2 第2番 Det er den storste darlighet (It is the greatest foolishness)1分00 No Image
3 第3番 En konge hersket i Osterland (A King ruled in the East)0分50 No Image
4 第4番 Siri Dale-visen (The Siri Dale Song)1分00 No Image
5 第5番 Det var i min ungdom (It was in my Youth)2分00 No Image
6 第6番 Lokk og badnlat (Call and Lullaby)1分30秒 No Image
7 第7番 Badnlat (Lullaby)1分00 No Image
8 第8番 Lok (Call)1分00 No Image
9 第9番 Liten var guten (It was a little lad)1分00 No Image
10 10番 Morgo skal du fa gifte deg (Tomorrow you shall marry)1分30秒 No Image
11 第11番 Der stander to piker (There stood two girls)1分30秒 No Image
12 12番 Ranveig0分30秒 No Image
13 13番 En liten gra mann (A little grey man)0分50 No Image
14 第14番 I Ola-dalon, i Ola-kjonn (In Ola Valley, in Ola Tarn)2分30秒 No Image
15 15番 Badnlat (Lullaby)2分30秒 No Image
16 第16番 Ho vesle Astrid var (Little Astrid)1分00 No Image
17 第17番 Badnlat (Lullaby)2分30秒 No Image
18 18番 Jeg gar i tusen tanker (I wander deep in thought)5分00 No Image
19 19番 Gjendines Badnlat (Gjendine's Lullaby)1分00 No Image

作品解説

2007年11月 執筆者: 齊藤 紀子

 1896年作曲された。19曲のノルウェー民謡編曲から構成された曲集である。ステーヴ(ノルウェー民俗詩の1種で、特定の韻律パターンを持つ)や子守歌、牛を呼ぶ歌、民族バラード等の素朴なメロディーが顔を並べている。

 第1曲目は<牛を呼ぶ声>。バス保続音内声オスティナート特徴的である。メロディーには、時折牧歌的な装飾施されている。
 第2曲目は<それはとんでもない愚かさ>。原曲はヴァルドレスに由来する。そのテクスト大意は、「結ばれようのない人に恋をして愛を無駄にするとは、世界またとないとんでもない愚かさである。そんなに幾度も私を腕に抱くとは、どういうつもりであったのか?私を騙し盲目にするつもりだったのでしょう。」というものである。アンダンテ・エスプレッシーヴォのこの曲は、4声体を基調としており、メロディーアウフタクト開始する。そして、所々に、増4度響き散りばめられている。
 第3曲目は<王は東国統治した>。ソグン地方の歌に由来する。そのテクスト大意は、「ある王が東国統治していた。その名は勇者ホーコンホーコンのもと荷は見るから恐ろしい戦士数多くいた。しかし、誰もが美女と呼ぶ娘ラグンヒルもいた。」というものであるアンダンテのこの曲では、堂々とした性格備えた順次進行特徴的である。
 第4曲目は<シリ谷の歌>。アッレグレット・コン・モートは8分の6拍子で、アウフタクト開始し8分音符4分音符交互に演奏するリズム特徴的である。
 第5曲目は<わが青春の日に>。アンダンテのこの曲は、やや規模大きバラードである。そして、4分音符アルペジオ開始する
 第6曲目は<牛呼ぶ声と子守歌>。この曲では、テンポアンダンテアレグロ→ピウ・レント→アンダンテ・モルトと変化する。そして、主として、多声的に書かれている
 第7曲目は<子守歌>。アッレグレット・コン・モートのアッラ・ブレーヴェで書かれている。そして、低音域の左右ユニゾン開始する
 第8曲目は<牛を呼ぶ声>。アンダンテのこの曲は、ほぼ等しい2小節メロディー繰り返して開始する。しかし、その下の伴奏は、繰り返される際に半音階的変化している。
 第9曲目は<その小さいのは男の子だった>。この曲では、テンポアンダンティーノ→アンダンテ・トランクィッロ→アダージョ変化する伴奏は、シンコペーションによるリズム特徴的である。
 第10曲目は<明日は君の婚礼の日>。ロム出身農婦、イェンディーネ・スローリエン(18721972)の歌う歌が原曲である。そして、彼女自身テクスト付けている。その大意は、「明日は君の婚礼の日。雄牛や熊がやってくる。僕は鉄砲贈り友人鉄砲獲物手に入れる。タンバリン鳴らされ雄牛のトゥータが料理をする。」というものであるユニゾン並進行が特徴的で、活気溢れている。
 第11曲目は<2人少女がいる>。厳格な4声体で開始するこの曲は、その後も多声的に書かれている。そして、そのような声部間には時折並進行が見られる
 第12曲目は<ランヴァイ>。比較的短いこの曲はイ短調書かれ冒頭主音保続されている。そして、半音階富んだ下降するバス・ラインの上に同主長調主和音響いて曲を閉じる。
 第13曲目は<小さな灰色の男>。この曲のテクスト子守歌である。そして、メロディー上声ないしは下声で歌われる。しかし、音楽はアッレグレットのスケルツァンドである。それは、ノルウェー民族舞踊1種ガンガル歩き踊り)を思わせる
 第14曲目は<オーラの谷で、オーラの湖で>。これは、オーラ湖のほとりにある牧場で夏を過ごしたある母親とその息子の悲しい物語である。その大意は、「ある日息子は湖で溺れ教会の鐘牧場運んで鳴らしたが、彼の姿はとうとう見つからなかった。」というものであるメロディーはまず、テノール声部歌われる。そして、そこには、「ラ・メロディア・ベン・マルカート」と指示されている。
 第15曲目は<子守歌>。メロディーはまず中音域で歌われ低音域、高音域と様々な音域歌われる。そして、そこには同じ音形による伴奏付されている。
 第16曲目は<小さなアストリー>。「小さなカーリ」と呼ばれることもある。この曲では、テンポではなく拍子変化するまた、その途中で低音オスティナート見られる
 第17曲目は<子守歌>。アンダンテ・トランクィッロのこの曲は、冒頭終結部分に保続音見られるまた、所々見られる半音階的音の動き特徴的である。中間部では、アレグロ・コン・ブリオとなる。
 第18曲目は<私は深く思い巡らす>。この曲のテクストは、A. P. ベアグレンのデンマーク民謡集見出される。その大意は、「私は深く思い巡らす。私は思い適わぬ人を愛している。彼が楽しげに道を進む時、私は悲しい。こんなにも愛しいあなたが手に入らないとは、大きな悲しみであることだ。多く嘘つき人々のせいで。」というものである。そして、比較規模大きい曲である。
 第19曲目は<イェンディーネの子守歌>。イェンディーネとは、1891年グリーグ山岳地方へ旅に出た際に出会った絞り女性の名である。グリーグは、彼女が歌った歌を書きとめ、和声づけを行ったとされている。この素朴なメロディー繰り返される際には、半音階的和声づけがなされている。

Edvard Grieg “Klavierwerke 3” C. F. Peters 2000




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