最近の灌漑技術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 00:41 UTC 版)
土中水分計による点滴灌漑の電子制御(土中水分量の最適化制御)下記の各方式の水分計によって土中水分を設定値に保つように放水する。単なる点滴灌漑の場合、根の水平展開に応じた水分の水平展開を得にくく、垂直に長い水分布となって水利用効率が悪いのみならず毛細管現象による塩害の可能性もあるため、スプレーヘッドを併用して水平散布したり、透水チューブを用いる場合もある。給水量の節約と垂直浸透を避けるためパルス送給水する装置も開発されたが高価で維持費もかかるので1リッター/hrなどの超低速送給水も研究されている。 砂地における感圧制御点滴灌漑 多段式吸引圧水頭計複数の深度で吸水圧水頭を計測するセンサー。施肥状態や温度誤差が小さく、植物が吸水するのに必要なエネルギーを計測でき、土中の水の移動を三次元計測できる。 テンシオメーター単一深度で吸水圧水頭を計測するセンサー。施肥状態や温度誤差が小さく、植物が吸水するのに必要なエネルギーを計測できる。また従来はpF2.8以上の乾燥土壌は計測できなかったが最近、乾燥土壌が計測できるように改良された。乾燥土壌用テンシオメーター。但し電子制御に向かず、垂直方向の土中の水移動が計測できない。 誘電率水分計土壌の誘電率によって土中の体積含水率を計測する。乾燥土壌でも計測でき電子制御に向き安価。しかし、施肥状態や温度誤差がでるのと、体積含水率が同じでも土壌や耕起の有無で根が吸水に要するエネルギーが違う、などの問題がありテンシオメーターなどで計測して、誘電率水分計との差異を求め、温度・土壌補正パラメーターを設定せねば、精度の確保が難しい。
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