明確な誤審の基準
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 23:29 UTC 版)
「ビデオ・アシスタント・レフェリー」の記事における「明確な誤審の基準」の解説
IFABの第2回ワークショップで「常に鍵になる疑問点は『主審の判定の何が明確なミスか?』ということを」と強調されたとおり、VARの運用には『VARによる明確な誤審の判断基準』が大きなポイントになる。2016年のクラブ・ワールドカップでのテストでOFRが実施されたことを受け、IFABのテクニカル・ディレクター David Ellerayは「我々は世界中の選手や監督から主審が最終決定権を持ち続けて欲しいという明確なメッセージを受け取っており、だからこそ審判が直接映像を見に行く選択肢は常にある」と説明している。 「明らかな誤審」の定義が曖昧なため、VARが「明確で一目瞭然な誤審」と判断しなかったグレー・エリアの判定を主審が確認する目的でも使用されている現状がある。「明確な誤審にだけ集中することが行われていない」と2017年6月にIFABのテクニカル・ディレクター David Ellerayもテストの現状について理想的な現状では無いことを認めており、特に2017-2018シーズンにトップリーグ全試合でのテストが始まったドイツとイタリアでは介入の多さに多くの批判が起きている。 ドイツの元トップ主審マルクス・メルクはブンデスリーガでのテスト序盤(2017年9月末)に「怖れていたことだがVARの存在が主審の振る舞いを変えている。ビデオ・アシスタントがいるからと主審たちが笛を吹くのを控えているように感じる。それが人間だ。主審が、自分がピッチの第一かつ唯一の裁判官だという態度をとり続けるのが重要」と審判団への心理的影響の大きさを指摘している。一方で主審が確信を持てないシーンでの笛を避ける傾向により、結果的に純粋なプレー時間が増えるというデータもある。
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