操船ミス説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 07:29 UTC 版)
「タイタニック (客船)」の記事における「操船ミス説」の解説
2010年9月に、二等航海士のチャールズ・ハーバート・ライトラーの孫、ルイーズ・パッテンは、イギリスのデーリー・テレグラフに対し、「ミスがなければ、氷山への衝突を避けることは簡単だった。氷山が近くにあるのを見てパニックに陥った操舵手が、間違った方向に舵を切った」と語り、基本的な操舵ミスが原因だったとしている。 「面舵」も参照 記事によるとマードックが氷山を発見したのは衝突の4分前、衝突時に減速がほとんど効いていなかったとされることから氷山との距離は約2,700メートルであったと算出される。これは十分に停止可能な距離であるが、マードックは操舵のみで回避できると判断し、ロバート・ヒッチェンズ操舵手に「Hard Starboard!」の号令をかけた。この号令は帆船時代からの名残で「舵輪を左に回して“舵柄を右に動かし”左へ急速回頭する」の意味で使用されており(Tiller Orders・間接法)、タイタニックでも採用されていた。しかし蒸気船式の号令(Rudder Orders・直接法)では「舵輪を右に回して舵柄を左へ動かし“右へ急速回頭する”」を意味するため、直接法で訓練されていたヒッチェンズ操舵手はパニックに陥り、舵輪を右に回してしまう。操舵手のミスに気づいたマードックは左回頭に修正したが手遅れであった。「後進一杯」が発せられたのはこの修正時と思われる。 同記事には「ブルース・イズメイ社長が船長に微速前進での航行を命令したことにより、船首に水圧がかかり浸水が早まった。前進していなければカルパチアが到着するまで沈むことはなかった」との証言も記載されている。実際に、衝突直後に計測された現在位置と沈没現場には数海里の誤差がある。 事故後、ライトラーは海運会社の倒産を恐れ、調査でもミスを隠したと説明している。 事故後、南アフリカのケープ・タウンの港湾長に任じられたヒッチェンズ操舵手は知人のヘンリー・ブラムらに「タイタニックの事故に関して秘密を守るためにケープ・タウンまで送られた」と告白しているが、関連は不明である。
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