恋愛における壁ドン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 02:06 UTC 版)
恋愛における壁ドンは、主に漫画やアニメ、さらに実写ドラマや映画などでも見られるシチュエーションである。「男性が女性を壁際まで追い詰め、壁を背にした女性の脇に手をつき『ドン』と音を発生させ、腕で覆われるように顔が接近する」まで、あるいは「耳元で愛を囁かれる」までが一般的な壁ドンである。このシチュエーションにおける男性は、女性から見ていわゆる「イケメン」であるか、好意を持っている男性に限る、とする報道もある。漫画の中においては、「まだ恋人にはなっていないが、好意をもっている異性」が一気に距離を詰めて迫ってくる、という前提があって初めて成立する様式美であるとの分析がある。また、女性が男性に対して壁ドンする行為は「逆壁ドン」と呼称する。 この意味での使われ方は、2008年に声優の新谷良子が「萌えるシチュエーション」として「壁にドン … 黙れよ」という言葉で紹介したのが初出と言われている。流行の火付け役となったのは、渡辺あゆによる少女漫画『L♥DK』(『別冊フレンド』2009年3月号から連載開始)であり、その映画化(2014年4月12日公開)を機に幅広い年代に知られるようになったとも、原作の冒頭シーンが「壁ドン」で始まることからSNSを通じ女性読者の間で新語として拡散していったとも、『L♥DK』に「壁ドン」が登場したのち他の漫画やアニメ作品に同様の場面が引用され拡散していったとも報じられている。特に「壁ドン」が様式美として広く認識されたきっかけは原作の第14巻における壁ドンシーンであるとの分析もある。少女漫画でよく見られるシチュエーションであることから、特に女子中高生は「壁ドン」をこの意味で用いることが多いという。 サイバーエージェントが、女子中高生444名を対象として2014年上半期に「女子中高生の間で流行ったもの」や「流行りそうなもの」を「JCJK流行りものランキング」として調査した(複数回答可)ところ、「壁ドン」が201票を集めて1位になっている。さらに、日清食品が2014年6月30日から「壁ドン」を題材にしたカップヌードルのテレビCMを期間限定放送するなど、恋愛の意味での「壁ドン」が使用されることが多くなっている。日清食品のテレビCMによって、「壁ドン」は中高生のみならず幅広い世代に知られるようになったとの報道もある。 一方でカルチュア・コンビニエンス・クラブが、20 - 30代男女のTカード利用者400名を対象として2014年に実施した恋愛に関するアンケート調査によれば、「女性が『胸キュン』するシチュエーション」として多かった回答は順に「後ろからギュッとされる」(54.1%)、「危ない時に手を引いてくれる」(49.8%)、「頭をポンポンされる」(49.3%)であった。「壁にドンとされる」と回答した者は18.5%に留まり、「世間を賑わせている割には現実世界では『胸キュン』なシチュエーションではない」と報じられたほか、実際に「壁ドンを経験した」と回答した者の割合(男性の「したことがある」、女性の「されたことがある」の合計)も16.5%に留まっている。
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