性・クラス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/07 09:44 UTC 版)
詳細は「性 (文法)」を参照 数を持つ言語の多くは、文法上の性も持つ。全ての名詞が特定のグループ(男性と女性など)に分けられ、名詞を修飾する形容詞や限定詞、およびそれに対応する代名詞が名詞の性に応じて変化することが多い。例えばフランス語では、soleil は太陽を意味する男性名詞、lune は月を意味する女性名詞であり、冠詞が付くとそれぞれ le soleil と la lune になる。英語は、数を持つ言語としては珍しく名詞自体の性を持たず、わずかに三人称単数の代名詞he, she, it が区別されるだけである(ただし、名詞によっては代名詞を男性のhe、あるいは女性のsheで置き換えるなどのものがある。前者は複数人の意味を内包するものの、英文法上単数とされるeveryoneなどの性別不明の人を指す場合、後者はshipなど特定の物体や政治的・文化的用法における国についてである)。 実際の性と一致する場合もあるが、そうでないことも多く、また、各々の名詞との対応付けも言語ごとに異なり、一貫性がない。例えば、「太陽」を意味するフランス語のsoleil、スペイン語solはともに男性名詞であるが、ドイツ語Sonneは女性名詞であり、一方、「月」を意味するフランス語lune、スペイン語lunaは女性名詞であるのに対して、ドイツ語Mondは男性名詞である。結局、「性」と言いながら、実際は、同様の規範性を有する名詞集合の呼称であって、言語によっては5以上に分類されるものもあるため(「性 (文法)#性の数」参照)、自然の性にとらわれない「名詞類」「名詞クラス」と言う用語を使用することもある。
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